上写真=長澤和輝は54分の3人交代の1人として入り、形勢逆転、勝利に貢献した(写真◎J.LEAGUE)
「守備のところで穴を作らないポジションを取る」
ついに、名古屋グランパスでのデビューのときがやって来た。今季、浦和レッズから加わった長澤和輝が、J1第2節の北海道コンサドーレ札幌戦で豊田スタジアムのピッチに立った。
「いい雰囲気の中で、途中からですけど試合に入って、結果も最後は1-0で、0-0の状態で入ってから勝ちにつながったことが大きかったですね」
前半は0-0で折り返し、札幌の圧力を回避しつつ押し返していくために、マッシモ・フィッカデンティ監督は54分という早い時間に3人を一気に交代させた。そのうちの一人が長澤だった。
昨季、米本と稲垣祥で万全だったボランチコンビに、長澤が加わったことでさらに厚みが増した。攻守に渡ってタスクの多いポジションで、しかもこの日は1点を争うシビアな展開。82分に名古屋が先制してからは、札幌の逆襲のパワーが増していった。
「札幌の中盤は能力のある選手が多いので、しっかり厳しく制限をかけることを意識しました。前線からアプローチをかけることで質を下げさせることができて、札幌は終盤にはロングボールで背の高い前線の選手に送る攻撃の形だったので、パスを出させないように前線からのプレスで制限しようと意識してやりました」
ときには自分のポジションを飛び出して、危険なパスを未然に封じ込めた。
攻めでも守りでも、新しいチームでは求められることも変わってくる。心地よい刺激を浴びながら貢献しようとする日々だ。
「まずはしっかりと守備のところで穴を作らないポジションを取ることが大事です。ビルドアップではしっかりつないで前の選手にいいボールを供給することが必要で、攻守のバランスを求められると思います。試合に入って積み重ねて慣れていけば、なじんでいって判断していけると思います。できるだけ早く順応して、ピッチで正しい選択をできればいいと思います」
米本と稲垣とはまた違って、攻撃でも決定的な仕事をこなせるタイプ。だからこそ、存在価値を示していく。
「求められる仕事は広い守備範囲でしっかりアプローチすることですので、そこは表現していきたいですし、個の違いもこれから出していきたいと思います」
「前の選手は1対1の状況でも相手をはがせますし、個性があるのでしっかり生かせるようにしたいと思います。パスの配球がスムーズにできるとより個性が出せると思うので、ボランチやディフェンスラインの選手、キーパーがしっかり配球することが大切かなと思っています」
仲間の特徴をいかに生かすことができるか。それもまた、数あるタスクのひとつだ。まだ1試合で、しかも途中交代だから、本領発揮はまだまだこれから。次の柏レイソル戦でまた積み上げたい。
「江坂(任)選手は本当に能力がありますし、嫌なところに顔を出して入ってきてオフ・ザ・ボールの動きもいいですけれど、オン・ザ・ボールのときにゴールに直結するプレーをしてくるので、しっかり押さえていきたいと思います」