名古屋グランパスが開幕連勝だ。攻撃の軸となっているマテウスは開幕戦では2ゴール、第2節でも決勝点の起点となるなど、好調ぶりは頼もしい。守備のタスクをこなした上で、与えられた自由をチームに還元している。

上写真=ホーム初戦となった札幌戦では決勝ゴールの起点に。マテウスが今年も生き生きプレーしている(写真◎J.LEAGUE)

「自分のスタイルは動き続けること」

 マテウスの、名古屋グランパスの2021年シーズンは、素晴らしい2ゴールで始まった。2月28日の開幕戦、アビスパ福岡とのアウェーゲームで2ゴールを決めて、2-1の勝利に導いた。続くガンバ大阪戦は相手に新型コロナウイルス陽性者が発生したことで中止となったが、仕切り直してホーム開幕となった3月6日の北海道コンサドーレ札幌戦は1-0というしびれる勝利だった。

 この試合では得点こそなかったものの、75分に左からの相馬勇紀のパスをジャンピングヒールで縦に流して前田直輝の決定機を演出した。さらには82分、右サイド深くのタッチライン際で後ろ向きで受けると足の裏でなでるように背中側に送って宮原和也を走らせ、ニアゾーンの前田へ、前田はさらに中央に送り込むと、走り込んできた相馬が流し込んだ。マテウスがゴールの起点となって、鮮やかな連動による決勝ゴールを導き出した。

「まずは求めていた開幕戦の勝利を難しいアウェーで手に入れることができましたが、リラックスはできませんでした。連戦で準備の時間が少ない中で、必ず次へ集中力を高めなければいけません。そのおかげで、ホーム開幕戦の勝利につなげられました。いい結果でスタートするほど目標が近づきます。勝利を積み重ねていけば、優勝という目標に近づくと思います」

 どちらも1点差の勝利だというところに、名古屋らしさがにじみ出る。

「去年から続けて失点が少ないことが、チームに大きな優位をもたらしてくれています。試合に勝ちたければ失点を減らして得点を決めきればいいので、チーム全体で守備も攻撃もしています。守備の選手がしっかり守りきってくれていることがはっきり見える結果になっていて、2-1と1-0で点差は大きくないけれど、勝利につながっているので問題ないと思います」

 もちろんマテウスには、その流儀の中で攻撃の急先鋒としての役割が与えられる。一人で突破もできるし、周囲とのコンビネーションもスムーズで、何より決定力がある。

「自分のスタイルは動き続けることです。運動量をピッチで出し切るというスタイルを持っています。監督は攻撃で自由を与えてくれて、中盤とディフェンスラインの間でもらいながら、勝負できる自信があるときに1対1に持ち込むところはフリーにやらせてくれます。ですから、守備から攻撃に切り替わるところを意識しながら、攻撃で特徴を生かすことを意識しています」

 昨季はJ1ではキャリアハイの9ゴールを決めている。アシストも8を記録した。

「毎年必ず昨シーズンを超えるという目的があります。昨年は3位でACLの出場権を獲得できたので、今年も個人としてもチームとしても昨シーズンを超えていきたい気持ちでプレーしています」

 具体的な数字はあえて口に出さないのがマテウス流。まずは次節の柏レイソル戦で、今季3点目を目指していく。


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