8月20日と21日の明治安田生命J2リーグ第32節では、注目の上位対決が2試合あった。首位の横浜FC対4位のファジアーノ岡山、2位のアルビレックス新潟対5位のロアッソ熊本だ。ともに上位チームが勝って引き離しに成功した。一方で、3位のベガルタ仙台は敗れて足踏みとなった。

上写真=新潟が熊本を1-0で下して、2カ月ぶりにホームでサポーターに白星をプレゼント(写真◎J.LEAGUE)

岡山、熊本は上位を突き崩せず

 横浜FC、アルビレックス新潟、ベガルタ仙台の「3強」はすべて1-0のスコア。しかし、横浜FCと新潟は勝って、仙台は負けた。

 首位の横浜FCは4位のファジアーノ岡山を迎えた。岡山に新型コロナウイルス感染症の陽性診断が複数選手に出て苦しい陣容だったが、試合は一進一退となった。詳しくはマッチリポートに譲るが、0-0のまま進んだ71分、相手CKのピンチを退けるとそのままカウンターに出て、最後は山下諒也が決めきった。これが決勝点となり、勝ち点3をもぎ取った。岡山は3強に迫るチャンスで、コロナ禍の影響を感じさせないような充実の戦いだったが、惜しくも勝ち点を持ち帰れなかった。

 2位の新潟は5位のロアッソ熊本との対戦。一時は圧倒的な強さを誇ったホームゲームだったが、6月以降、勝利から見放されていた。新潟も熊本もパスで相手を動かすのが信条だけに、テンポよく試合は進んだ。18分には新潟が中盤のプレスからショートカウンターを仕掛け、谷口海斗が運んで左のスペースに滑り込ませると、走り込んだ小見洋太が逆サイドにきれいに蹴り込んで先制した。この後はお互いにチャンスを生かせずに、結局、これが決勝点になって新潟が逃げ切り。2カ月ぶりのホームの勝利を味わった。

 3位の仙台は、0-1でザスパクサツ群馬に屈する形になった。序盤から群馬に続けざまにチャンスを作られ、PKをGK小畑裕馬がストップするシーンもあったが、ついにゴールを許したのは54分。この夏の補強組のコンビ、高木友也のクロスに長倉幹樹にJリーグ初ゴールをヘッドで決められて、後半早々に追いかける展開となった。だが、反撃も実らず群馬に攻められて、このまま終了。仙台は今季2度目の連敗を喫することになった。

 これで、横浜FCが勝ち点63、新潟が62で並走し、そこから55の仙台までは7ポイント差と、3強が割れる格好に。1試合消化が少ない岡山が仙台に4ポイント差で迫ったまま、FC町田ゼルビア、ロアッソ熊本が続いている。

 消化試合数にばらつきがあるものの、多くのクラブが残り10試合。下位に目を向けると、最下位のFC琉球は勝ち点28、その上のいわてグルージャ盛岡が30で、同勝ち点の群馬が残留ラインを挟んで得失点差で上回る。だが、大宮アルディージャも31、ツエーゲン金沢とレノファ山口FCも35で、残留を目指す戦いも熾烈を極めている。

画像: 仙台が下位に沈む群馬に逃げ切られて連敗となり、足踏み(写真◎J.LEAGUE)

仙台が下位に沈む群馬に逃げ切られて連敗となり、足踏み(写真◎J.LEAGUE)

画像: 下位では山口が勝って、17位に浮上した(写真◎J.LEAGUE)

下位では山口が勝って、17位に浮上した(写真◎J.LEAGUE)

J2第32節の結果

■8月20日
千葉 0-0 徳島

横浜FC 1-0 岡山
得点:(横)山下諒也

新潟 1-0 熊本
得点:(新)小見洋太

琉球 2-2 山形
得点:(琉)阿部拓馬、人見拓哉(山)デラトーレ2

秋田 0-3 栃木
得点:(栃)宮崎鴻2、矢野貴章

群馬 1-0 仙台
得点:(群)長倉幹樹

大宮 0-2 町田
得点:(町)ドゥドゥ、鄭大世

山口 1-0 水戸
得点:(山)田中渉

大分 3-0 岩手
得点:(大)中川寛斗、弓場将輝、増山朝陽

■8月21日
東京V 0-0 甲府

※金沢対長崎は中止。代替日は決定次第、発表される


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