明治安田生命J1リーグにおいて最も印象深いアシストを表彰する「月間ベストアシスト」。7月は、川崎フロンターレの左ウイング、マルシーニョのテクニカルなパスを選出した。サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」では今シーズンも「月間表彰」を実施、当サイトではベストアシストをピックアップして、その選手へインタビューしていく。チャンスで効果を発揮している「右足アウトサイドパス」の秘密は?

正直に言うと、目をつぶって蹴った

画像: マルシーニョの特徴はなんと言っても一瞬のスピード。「みんなわかってくれている」(写真◎J.LEAGUE)

マルシーニョの特徴はなんと言っても一瞬のスピード。「みんなわかってくれている」(写真◎J.LEAGUE)

――右足のアウトサイドといえば、直近の試合でも、YBCルヴァンカップ準々決勝第2戦のセレッソ大阪戦で決めた2点目がまさにそうでした。左から中にドリブルで進みながら中央のレアンドロ・ダミアン選手に右足アウトでパスを送り、中央に入ってリターンを受けてゴールに蹴り込んでいます。

マルシーニョ そのほうがやりやすいイメージもありますが、ボールのポジションによりますよね。右足の少し外側にあるのであれば右足のアウトサイドがいいし、左足の外側にあれば必然的に左足で蹴ることになります。今回のアシストのシーンでいえば、ボールが右足の近くにバウンドしてきたので右アウトで蹴るしかないなと。

――そのG大阪戦では続いて、20分にレアンドロ・ダミアン選手のアシストからゴールも決めています。

マルシーニョ 練習からいいコンビネーションでできている感覚があります。ランチを同じタイミングで取ることも多いし、ピッチの外でも家族ぐるみで付き合いがあって、そういうコミュニケーションがピッチの上でもいい影響を及ぼしてくれていると思います。

――そのシュートは左から入ってきてパスを受けてニアサイドに蹴り込みましたが、狭いほうに決めたのはさすがだな、と思いました。

マルシーニョ 正直に言うと、目をつぶって蹴ったんですよ(笑)。ゴール前にディフェンダーが2人いて、ゴールキーパーも寄せる動きが見えたので、思い切って蹴ろうと思ったらあそこに入りました。このボールを失ったらいけない、と思って、とにかく思い切り(笑)。

――このゴールは左からマルシーニョ選手が右斜め後ろの脇坂泰斗選手に預けて、レアンドロ・ダミアン選手にくさびのパスを入れ、そこからのパスをマルシーニョ選手が決めています。その脇坂選手に出したパスも、右足のアウトサイドでした。

マルシーニョ 右のアウトサイドでプレーするとかっこいいなと思うので、やっています(笑)。いつもではないけれど、たまにいいボールが飛ぶので試しながらやっています。

――この試合ではさらに3点目にも絡んでいます。左からの佐々木旭選手のセンタリングに入っていきましたが、ボールをまたいで相手をひきつけて、後ろにいた脇坂選手が蹴り込みました。脇坂選手から声がかかっていたんですよね。

マルシーニョ 「スルー、スルー! スルー、マルちゃん!」って言っていましたね。それが聞こえたので足を開いて通しました。コミュニケーションがやはり大事ですよね。

――ちなみに、日本ではボールに触らずに流すことを「スルー」と言いますが、ブラジルではどのように言うのですか。

マルシーニョ 放っておく、そのままにしておく、という意味の「デイシャ」とか、足を開くという意味で「アブリ」、あとは「フーラ」ですかね。穴をあけるという意味で、足を開いて穴を開けてそこを通す、という表現を使いますね。「スルー」はここで学んで、いまではしっかり使えるようになりました。


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