浦和レッズに2年半ぶりに復帰した。MF伊藤涼太郎は2017年9月にJ2の水戸ホーリーホックへ期限付き移籍し、19年シーズンは大分トリニータでプレー。試合経験を積み重ねて満を持して浦和へ戻ってきた。

上写真=2020年シーズン、伊藤は13番を背負ってプレーする(写真◎サッカーマガジン)

2年半で成長したところを見せたい

 4年前に期待の高卒新人として加入した伊藤はたくましくなって、埼玉スタジアムに帰ってきた。新加入会見の壇上での言葉には自信がにじんでいた。

「(レンタルの)2年半で成長したところを見せたいです」

 水戸では40試合に出場し、9ゴールをマーク。18年はシーズン途中から定位置をつかみ、4-4-1-1システムのシャドーとして活躍した。チャンスを演出しながら、要所でゴールもマーク。実戦経験を積むことで、「プレーの強度が上がり、質も間違いなく上がった」と胸を張る。

 その働きが認められて、J1の大分トリニータへレンタル移籍。リーグ戦の出場機会は4試合に限られたものの、ルヴァンカップ、天皇杯では経験を積んだ。片野坂知宏監督のもとで多くのことを習得したという。浦和への復帰が決まったときは、大分の関係者から「通用するから頑張ってこい」と送り出された。

 岡山・作陽高から浦和に加入したばかりの頃は、練習でもほとんど存在感を示すことができなかったものの、いまは違う。1月7日の始動日からハツラツとしていた。紅白戦ではボランチに入り、積極的にゴール前まで顔を出し、シュートを狙った。「手応えはあります」。トレーニングでは充実した表情を見せている。

 いま浦和は世代交代を進めており、若手の台頭を促しているところ。今年で22歳を迎えるプロ4年目の男も、意欲を燃やしている。

「勝負の年になる。自分のプレーをすれば、間違いなく試合に出られると思っています」

 覚悟は背番号にも表れている。水戸と大分では46番を貫いてきたが、今季からは心機一転、13番をつける。浦和のレジェンドである鈴木啓太(引退)の背負った番号を意識して選んだのだ。

「重みのある背番号です。より責任感を持てます。新しい自分をつくっていきたい」

 "浦和の男"の意思を受け継ぐ若い血が、新しいレッズの土台をつくっていく。

取材◎杉園昌之


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