上写真＝レアンドロ・ダミアンへの縦パスを厳しくチェックし続けた加賀健一。J1での経験でチームを引っ張った（写真◎小山真司）
■2020年12月27日 天皇杯準決勝（@等々力:観衆9,772人）
川崎F 2-0 秋田
得点者：（川）三笘薫、田中碧
来年はJ2でもっともっと頑張った姿を見せたい
ブラウブリッツ秋田の吉田謙監督はJ1チャンピオンの川崎フロンターレに対して、「守備の一体感と縦パスに対する強烈な意識」を出し切ったと選手をねぎらった。その両方を体現したのが加賀健一だ。
ジュビロ磐田、FC東京、浦和レッズでJ1の舞台を経験したベテランセンターバック。川崎Fの中央に立つレアンドロ・ダミアンに厳しくチャージを仕掛け続け、攻撃のポイントをつぶすべく戦った。
「我慢する時間が多かった試合です」
確かにほとんどの時間で川崎Fがボールを支配した。
「ボールを持たれるのは想定内だったので、こちらが今年やって来た背後を取って奪ったあと早くカウンターでチャンスを作るという場面があればよかったけれど、そこもうまく守られていたと思います」
「シュートもほとんど打てていないので、大きなチャンスになる場面は90分通してありませんでした」
攻守ともに川崎Fのスキを突くことができなかった。
「前半はしっかりゼロで抑えることが最低限と思っていましたが、あそこで失点して相手に優位な状況を作られてしまいました。ゼロのまま後半に行けばもしかしたらとなったかもしれませんが」
1つ目のポイントは最初の失点だ。0-0のまま前半を乗り切れば、後半に何かが起こる、というプランは、39分までは続けることはできたが、あと6分と少しのところで崩れてしまう。鮮やかなパスワークで中央を割られ、三笘薫に決められてしまった。
「セットプレーを含めて、何が起こるか分からなかったので、失点1のままなら同点のチャンスはあるとは思ってやっていました」
だからこそ、83分の2点目が悔やまれた。田中碧にFKを直接流し込まれた。
「2失点目が残念でした。J1のクラブはしっかり決めてくるのはさすがです」
これで秋田の2020年シーズンは終わった。J2昇格、秋田県勢初の天皇杯ベスト4と素晴らしい結果を残した。
「今年1年、大変な年でした。そういった中で秋田県民の皆さんに結果で示したかったので、J2に昇格したのを見せることができた1年でした。来年はJ2でもっともっと頑張った姿を見せたいと思います」
「秋田でサッカーができて、その中で一丸となって昇格できたのは素晴らしい1年だったと思います。来年は勝負の年になると思うので、いい準備をしていければいいと思います」
2021年、J2に秋田旋風を巻き起こしてみせる。来年38歳になるベテランも、そのときが楽しみで仕方がない。
現地取材◎平澤大輔 写真◎小山真司
