天皇杯JFA第100回全日本サッカー選手権大会で、ガンバ大阪が川崎フロンターレに敗れて準優勝に終わった。倉田秋は0-1のスコア以上の敗戦に悔しさと自身への情けなさと、技術を出しきれないもどかしさを口にして、リベンジを誓うのだった。

上写真=倉田秋は中盤で奮闘したものの、1点が遠かった(写真◎小山真司)

「僕たちの攻撃が相手の脅威になっていない」

 倉田秋が天皇杯の決勝で川崎フロンターレに敗れた直後に指摘したのは、ガンバ大阪の選手には技術はあることと、それを出すべきときに出す必要がある、ということだった。

「川崎の選手は受けるのを怖がっていないし、どんどん嫌なところに入ってくるというスムーズさもありました。ガンバの選手は技術はあるので、それをしっかりこういう場面で自信を持って出すのが大事です。僕自身も今日はミスが多かったし、それでももっとやり続けることをしないといけないと思いました」

 スコアは1-0。僅差で逃げ切られたように見える。しかし、実態はそうではないということを、ピッチの上で戦った倉田自身が痛感している。

「悔しいし、自分の力のなさを痛感する瞬間だと思います。いまはなんでもっと自分ができなかったんやという部分はある。それを乗り越えて強くなると思うので、研究してトレーニングして、来シーズンにもっと強くなりたいですね」

 3-4-2-1のフォーメーションで試合に入り、倉田は「2」の右サイドに入って攻撃を担う役割だった。「しっかりといい守備をしながらいい攻撃につなげていくというプランだった」ものの、守備時には5-4-1でブロックを組んで低く構えたため、攻撃に移った瞬間に関与できる人数が限られ、またすぐに川崎Fにボールを回収されていく。55分に失点してからは交代策も使いながら4-4-1-1にシフトチェンジ、倉田もボランチに入って攻撃の糸口を探していった。

「特に指示はないですが、うまいこと前にボールを運べていなかったので、リスクを負ってもつなぎながら前に運んでいくのを意識していました」

 その効果は少しずつ表れて終盤には押し込んだものの、ゴールにはつながらなかった。

 J1リーグでは川崎Fに次ぐ2位だった。1年後に頂点に立つためには、つまり川崎Fを上回るにはどうすればいいのか。そこでも「技術」と「出しどころ」を強調する。

「全体的に見れば、まだまだ僕たちの攻撃が相手の脅威になっていないので、そこは改善の必要があると思います。クオリティーはあるので、どうやって試合で、ゴール前で出すかは来年やっていけばいいと思います」

 この負けを、負けで終わりにしないために。これまで何度も勝って、何度も負けてきた倉田だからこそ、感じることがある。

「勝たなければいけない試合を数多くこなすことで、選手として成長できると思います。今日は負けてしまいましたけど、川崎が喜んでいる姿を見て、みんな思っていることはあると思うので、それを糧に成長できればいいことです。今日の負けを負けだけで終わらせずに、来シーズンはACLもありますし、川崎を倒す目標もあると思うので、みんなでやっていきたい」

 2021年の明確な目標ができた。


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