ぜひ満員のフクアリを見てみたい
――田口選手は2017年に名古屋グランパスで、昇格プレーオフを勝ち抜いてJ1昇格を果たしています。その経験を踏まえて、残りのリーグ戦4試合で大切なことは何だと思いますか?
田口 一戦必勝で、選手全員が目の前の試合に勝つという気持ちを持って戦えるか、その気持ちをどれだけピッチ上で出せるかだと思います。自動昇格となる2位以上を狙っているので、もう一つも負けられません。残り4試合すべての勝利を目指します。
――第31節から第37節までの7連勝とは別に、第36節のベガルタ仙台戦(9月23日・〇3-1)まではホーム7連勝も記録しています。仙台戦は1万3686人の観客が集まり、フクダ電子アリーナ(フクアリ)の素晴らしい雰囲気はDAZNの映像からも伝わってきました。
田口 お客さんがたくさん入っているとテンションが上がりますし、たくさん見に来てくれているな、絶対に勝って笑顔で帰ってもらわないと、という気持ちになります。すごく大きなエネルギーをもらっていますね。
――お客さんが増えてくると、いまのチームへの期待が高まっていることを如実に感じるのではないですか?
田口 そのとおりです。たくさんの声援を受けるためにも、自分たちはピッチ上で結果を出さなければいけません。結果が出てお客さんが増えていくのは、うれしいです。勝負の世界で生きていることを実感しますし、もっとたくさんの方に来てもらえるように、結果を出し続けなければいけないです。
――千葉に加入し、フクアリをホームとして戦うようになって4年目です。
田口 雰囲気が最高ですね。自分が千葉に加入した2020年は新型コロナウイルスの影響があり、無観客試合もありました。そのとき『このフクアリが満員になったら、どんな雰囲気になるんだろう』と、よく考えていたんです。仙台戦、さらに水戸ホーリーホック戦(10月8日・△1-1)も、たくさんの方が見に来てくれて(1万3669人)、選手として幸せです。それでも満員とまではいかなかったので、ぜひ満員のフクアリを見てみたいです。
――結果を出してJ1昇格に近づいていけば、実現するのではないでしょうか?
田口 はい。勝ち続けて、結果を出し続ければ、いつか満員のフクアリが見られると思っているので、頑張ります!
――千葉は2009年を最後にJ1から遠ざかっています。田口選手自身も、2019年が最後になっているJ1の舞台に返り咲きたいですね。
田口 個人的な思いもありますが、それよりも、千葉はJ1にいなければいけないクラブだと思っています。信念を持ってやれば実現できると思っているので、目標を達成したいです。
――残り4試合となったリーグ戦への意気込みを教えてください。
田口 もう一つも落とせないので、全試合に勝つという気持ちをチーム全員が持ち、いかにピッチで表現できるかが大事になります。自分たちのやってきたこと、やっていることを信じて、チーム全員が一戦必勝で戦うことが必要です。
――最後に、千葉のファン・サポーターの皆さんへのメッセージをお願いします。
田口 本当にたくさんの方が毎試合、スタジアムまで足を運んでくれて、自分たち選手を鼓舞してくれています。すごく力になりますし、応援してくれるファン・サポーターの皆さんのためにも勝ちたいです。残り4試合、最後まで一緒に戦ってください!
取材・構成◎石倉利英
たぐち・たいし◎1991年3月16日生まれ、沖縄県出身。地元の小禄中から流通経済大柏高(千葉)に進み、2年時に高円宮杯全日本ユースと高校選手権で優勝に貢献。キャプテンを務めた3年時はインターハイ(全国高校総体)で優勝している。卒業後の2009年に名古屋グランパスに加入し、2012年からボランチで主力に定着。2017年は名古屋の降格によってJ2でプレーするも、1年でのJ1復帰に貢献した。2018年にジュビロ磐田、2020年にジェフユナイテッド千葉に移籍。4年目の今季、終盤に調子を上げて残り4試合で5位につけ、2009年以来のJ1復帰を目指すチームを支えている。176cm、73kg