ジェフユナイテッド千葉のMF田口泰士が、9月度のJ2『明治安田生命Jリーグ KONAMI月間MVP』を受賞した。『DAZN Jリーグ推進委員会』では月間表彰選手をインタビューしており、サッカーマガジンWEBはJ2の月間MVPに迫る。9月は4戦全勝、8月から10月にかけてはクラブ記録に並ぶ7連勝で上位を猛追し、2009年以来となるJ1復帰を視界に捉えた戦いの中で、4試合フル出場。在籍4年目のクラブを、本来いるべき場所へと引き上げるべく燃えるチームリーダーに、好調の要因や今季の道のり、今後への意気込みを聞いた。

一人ひとりの気合いが足りなかった

――9月の4連勝を挟み、8月から10月にかけてクラブ記録に並ぶ7連勝を達成しました。一気に調子を上げることができた要因は何だと思いますか?

田口 先ほど話した、普段の練習で積み重ねてきたことが出ているだけだと思います。しっかり練習からやっていくのは慶行さん(小林慶行監督)が、また選手間でも、常に求めていることで、継続してやり続けなければいけません。そういう一人ひとりの意識が、大きな力となってピッチ上に出てくると思っているので。

――何かが変わったのではなく、継続してきたものが実っている、と。

田口 そうです。もう一つ、シーズン前半戦の結果が出ない時期に、選手一人ひとりが『このままじゃまずい』『このままではダメだ』という気持ちになりました。ちょっとした変化かもしれませんが、それがいま、大きな力になっているのかなと感じます。

――今季就任した小林監督の練習は、非常に強度が高いそうですね。

田口 監督が毎日のように選手に言ってくれるので、練習の強度は高いです。本来なら自分たちで意識を変えてやらなければいけないことで、そこも、まだまだ足りないところだったのだと思います。それを監督がはっきり選手に言ってくれたのは大きかったですし、選手が変わるきっかけになりました。

画像: 9月の4試合で最も印象に残っているという栃木戦。終盤に退場者を出しながらも、試合終了間際に決勝点を奪って連勝を伸ばした(写真◎J.LEAGUE)

9月の4試合で最も印象に残っているという栃木戦。終盤に退場者を出しながらも、試合終了間際に決勝点を奪って連勝を伸ばした(写真◎J.LEAGUE)

――先ほどの、選手一人ひとりが『このままではダメだ』という気持ちになったシーズン前半戦は、開幕戦の勝利後、第2節から8試合未勝利(3分け5敗)で勝ち点を伸ばせませんでした。どんなところに課題があったと思いますか?

田口 技術が優れている選手、経験がある選手は多いですが、サッカーをする上で根本的な部分である、戦うところ、分かりやすく言うと、一人ひとりの気合いが足りなかったと思います。この1試合にかけるという気持ちや、局面局面で絶対に勝ってやるという気持ちが、やはり十分ではありませんでした。

――第10節で久しぶりに勝利した後はチーム状態が上向きましたが、田口選手は第12節から9試合の負傷離脱がありました。スタンドなどピッチ外から試合を見て、何か感じたことはありましたか?

田口 声がないことが気になりましたし、もう少し気持ちを前面に出していいんじゃないかと思っていました。プレー面では、自分が入ったときに、ここでパスを受けたら、ここが空いているな、といったプレーをイメージしていました。

――気合い、気持ちという言葉がありました。これまでの経験から、それらはプレーの原点であり、大事なものだと実感していますか?

田口 そのとおりです。そういう部分がもっと必要ですし、表現し続けなければいけない。千葉に来てから、ずっと思っていたことで、なかなか変えることができませんでした。今季、慶行さんが監督になって指摘してくれて、そうやって言われないと変われなかったわけですが、やはり言ってくれたことは大きかったです。

――田口選手は第30節のモンテディオ山形戦が警告累積で出場停止となり、チームは敗れました(8月12日・●0-1)。次の第31節から7連勝を達成しましたが、もう負けられないと田口選手もギアを上げたのでしょうか?

田口 自分もそうですが、チーム全員が、もう負けられない状況でギアが上がったと思います。シーズンの最初からやらなければいけないこととはいえ、それをうまくピッチ上で表現できたことで、7連勝という結果を残すことができました。


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