上写真=四方田修平監督とスタッフのチームワークの良さが、昇格への原動力の一つ(写真◎J.LEAGUE)
「対策されても勝ちきるところ」に成長
横浜FCにとって、難しいシーズンだった。J2に降格し、監督が代わり、選手も大幅に入れ替わった。それでも、開幕から好調を維持して常に上位を争い、残り4試合の時点で自動昇格の2位を維持している。
……という「振り返り」にはまだ早い、というのが、四方田修平監督の考えだ。まだ何も勝ち得ていない。昇格へと周囲が盛り上がるほど、冷静になる。
「残り4試合という厳しいタイミングですから振り返ることはしませんが、思うことはたくさんあります。終わってから伝えていければいいと思っていますが、いずれにしろいまは、非常に刺激的です」
北海道コンサドーレ札幌のコーチとして2000年に、監督として16年に昇格を達成している。もちろん、状況は異なるから、「最初は選手同士も初めてということもあって、それで起こる化学変化の良さもあり、序盤戦の勢いにつながったと思います」と、今年のこのチームだからこそのメリットに変えてきた。
勢いだけではなく、手にした確かな成長をこう表現する。
「対策されても勝ちきるところ、プレー強度を上げていくところ、守備の安定、後半にどう試合を進めていくか、といったところは、シーズン当初に比べると試合とともに成長してきたと思います」
その実感とともに、残り4試合も、これまでと同じように一つずつ大切に戦っていく。
「久々に4日間、準備できて臨む試合になります。しっかりと落ち着いていい準備ができました。連勝していて雰囲気も良かったですし、一人ひとりがすごくポジティブで活気があって厳しさも出ていました」
1年でのJ1昇格へ、準備は整った。後ろからファジアーノ岡山が勝ち点5差で迫りくるが、あと4試合、勝てばいい。まずは、最下位のFC琉球とのアウェーゲームに勝ちきるだけだ。