上写真=家長昭博が前半のうちに2点を奪って勝利を手繰り寄せた(写真◎J.LEAGUE)
■2024年6月2日 J1リーグ第17節(@U等々力/観衆19,463人)
川崎F 2-1 名古屋
得点:(川)家長昭博2
(名)ハ・チャンレ
「もっと早く決まっていれば」と悔やむ長谷川監督
降りしきる雨の中で早々に試合を動かしたのは川崎フロンターレだ。6分、右からの瀬古樹のCKを高井幸大がニアでヘッド。ファーに流れたが、バウンドに合わせてダイブした家長昭博がヘッドで押し込み、あっという間に先制した。
このあとに稲垣祥と倍井謙にビッグチャンスがあったが決めきれなかったこともあり、名古屋グランパスにとっては、最初のゴールよりも18分の失点のほうがダメージが大きかったかもしれない。バックパスを処理した三國ケネディエブスが足をすべらせて転倒、ボールを奪った家長がGKランゲラックを切り返してかわし、右足で無人のゴールに送り込んだ。
名古屋の逆襲への意欲は裏へのパスに表れた。右サイドに大きく開いた中山克広と中央から斜めに抜け出すキャスパー・ユンカーがターゲット。スキを見つけては繰り返しミドルレンジからのパスを送り込んでいく。だが、川崎Fもそこは織り込み済みで、安定した対応でゴールを許さない。
後半に入るとまずは1点を狙う名古屋が押し込んで、59分に永井謙佑、山岸祐也、米本拓司を同時投入すると、さらにパワーアップ。いきなり山岸がゴール前に走り込んで狙えば、永井のミドルシュートがバーを叩くなど、その効果は明らかだった。74分には山岸の右からのセンタリングから内田宅哉と森島司が至近距離から狙うが、GKチョン・ソンリョンが連続セーブで守った。
遅ればせながら、名古屋がゴールを割ったのは89分だった。右CKを山中亮輔が中央へ、こぼれたボールにハ・チャンレが反応して右足で押し込んだ。これでその差は1点。さらに、90+2分には中山の右からのピンポイントクロスに永井が飛び込むが、シュートはわずか右へ。
結局、このまま川崎Fが逃げ切りに成功して、4試合ぶりの勝利。鬼木達監督も「とにかく勝ちたかった。何度もピンチがあったが体を張ってくれた。やっぱりそこですよね」と、勝利への執念を称えた。
敗れた名古屋の長谷川健太監督が「もう少し早い時間に取れれば、スタジアムが沸く展開になった。1本押し込めていれば、打ち合いの展開になったと思う」と振り返ったのは、攻撃の迫力で負けていなかったから。特に後半は押し込んで1点は返すことができただけに、悔やみきれないゲームになった。