明治安田生命J1リーグ第5節で3月20日に唯一行われた名古屋グランパス対柏レイソルの一戦。6分に柏が先制し、18分に名古屋が追いついて、序盤から動いた。このあともビッグチャンスはどちらにも訪れたが、守備陣の好守もあって引き締まった展開に。結局1-1で終わったが、ともに勝利にふさわしいドローになった。

上写真=金崎夢生が狙い、キム・スンギュが守る。名古屋も柏も攻守の強みをぶつけ合う好ゲームだった(写真◎J.LEAGUE)

■2022年3月20日 J1リーグ第5節(豊田S/11,859人)
名古屋 1-1 柏
得点者:(名)マテウス・カストロ
    (柏)細谷真大

画像: ■2022年3月20日 J1リーグ第5節(豊田S/11,859人) 名古屋 1-1 柏 得点者:(名)マテウス・カストロ (柏)細谷真大

「個人的には勝てたと思う」とネルシーニョ監督

 柏が先制すれば、名古屋が追いつく。2つのゴールのほかにも、見せ場たっぷりの好ゲームになった。

 開始早々の6分、素早く前線に運んだ柏は、細谷真大が中谷進之介をドリブルで振り切って左足でニアのトップコーナーに突き刺した。U-21日本代表のストライカーが、日本代表に追加招集されたセンターバックとの勝負に勝った、目の覚めるような一撃だった。

 しかし、ここからは名古屋が盛り返す。18分には右サイドバックの宮原和也が中央に入ってきてから縦に突き刺して、今季初先発の金崎夢生が体を張って落とすと、マテウス・カストロが自慢の左足で狙いすましたカーブショット、きれいな弧を描いて左トップコーナーに吸い込まれた。

 試合を通してゴールはこの2つだったが、それでも魅力的な試合になったのは、お互いに攻撃と守備の強みを出し合ったからだった。

 柏が細谷の強さとスピード、神出鬼没の小屋松知哉、マテウス・サヴィオのテクニックを中心にゴールに軽やかに迫れば、名古屋はマテウス・カストロのダイナミックな左足、相馬勇紀の突破を生かしながら、など、持ち味を十分に出し合ったエンターテインメント要素があちこちに盛り込まれたプレーの連続だった。守備でも息をのむプレーが多かった。29分に細谷が抜け出したところに背中から追いながらぎりぎりのところで先にボールに触った中谷のスライディング、45+1分に名古屋が右を抜け出して右足でクロス、逆サイドでフリーになった金崎のヘディングシュートをかき出したGKキム・スンギュのビッグセーブと、スタンドを沸かせるプレーが続いた。

 守備のビッグプレーは後半にも飛び出して、試合を引き締めた。特に名古屋のGKランゲラックが少なくとも3度のスーパーセーブを披露。52分、小屋松との1対1で右手一本でコースを変えてポストに跳ね返ると、60分にも左からの川口尚紀のグラウンダーのセンタリングに反応して先に触り、こぼれたところを狙ってきた大南拓磨のシュートも腹でブロックした。62分にも小屋松の至近距離のシュートに左手一本で鋭く反応してはじき出し、柏の前に立ちはだかった。

 逆に言えば、後半は柏の攻撃がより鋭さを増したということでもある。ネルシーニョ監督は「素晴らしいキーパーだから阻止されましたが、攻撃陣を評価したいのはそこに至るまでのプロセスで決定機を作ったこと」と得点こそ奪えなかったが、前向き。「勝てた試合だったと個人的には思いますが、敵地で勝ち点を取ったことは評価したい」と選手たちをねぎらった。

 名古屋からすれば、後半のパワーダウンが悔やまれる。それでも長谷川健太監督は、今季初先発の金崎、両ワイドで攻撃を引っ張ったマテウスと相馬のパフォーマンスなどを高く評価。「最後はなんとか勝ち点1を死守したような展開になりましたが、前半は最近の中では一番いい45分でした。45分できた時間を60分、90分と伸ばす作業をしていきたいと思います」と、こちらも進歩を実感するゲームになった。

写真◎J.LEAGUE


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