上写真=稲垣祥が笑顔でシーズンを終わらせるために、最高の準備を整える(写真◎J.LEAGUE)
「いい姿を見せて喜んでもらって」
タフなシーズンだった。コロナ禍にあって、ACLグループステージをタイで戦い、帰国後は厳しい隔離生活を強いられた。それでも勝ち抜いて韓国での準々決勝まで進み、敗れたもののベスト8へ。またも隔離措置となるが、ルヴァンカップでは初優勝も果たし、リーグ戦も最後までACL出場圏内の3位を争った。
その素晴らしいシーズンを締めくくるときが来た。
前節ではセレッソ大阪に逆転負けを食らって、来季のACL出場権が与えられる3位以内に入る可能性を失った。ただ、J1連覇の川崎フロンターレが天皇杯でも優勝した場合には、リーグ4位にもACL出場権が与えられる。4位の鹿島アントラーズと勝ち点1差の5位で迎える最終節の浦和レッズ戦には、そのわずかなチャンスにかける。
「監督からは、切り替えてラストの試合ですべてしっかり積み上げたもの出して、来シーズンにつながるいい試合をしよう、と話があったので、前節から何かを引っ張るよりも、切り替えて次の試合に行くという方向性です」
そう話すのは稲垣祥だ。この1年の名古屋を象徴する選手の一人。ボランチとして次々にボールを狩っては、印象的なゴールも数多く残してきた。リーグ8ゴールはここまでチームトップで、キャリアハイでもある。
「監督のやり方があって、自分たちが去年から積み上げてきた雰囲気を継続している感じです。ラスト1試合に向けてもそこは変わらないと思います」
シーズンを通して繰り返してきた試合へ向けたサイクルを、最後の1週間だからといって変える必要はない。結果を残してきた1年だから、なおさらだ。
「最後にファミリーの皆さんにいい姿を見せて喜んでもらって終われるように表現したいので、そのためのいい準備をしたいと思います」
12月4日、2021年最後の名古屋グランパスが、これまでと変わらぬ強さでお披露目される。