明治安田生命J1リーグは残留争いも激しくなってきた。11月6日、7日の第35節では下位チームが勝ち点3を目指して戦った。しかし、15位以下のチームは勝利を手にすることはかなわず、残り3試合で、6チームが6ポイント差にひしめく大混戦は変わっていない。なお、ガンバ大阪と柏レイソルが残留を決めている。

上写真=横浜FCは1点のリードを最後の最後で追いつかれて勝ち点1にとどまった(写真◎J.LEAGUE)

降格は4チーム

 2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、特例として降格がなかったJ1リーグ。今季は20チームで争い、4チームが降格するレギュレーションだ。11月7日までに第35節まで消化して、下位は勝ち点6の中に6チームがひしめく残留サバイバルが展開されている。

 11月3日に行われたJ1第34節までの順位を振り返ると、15位湘南ベルマーレ、16位清水エスパルスが勝ち点32で並び、17位徳島ヴォルティスが30、18位大分トリニータが28、19位ベガルタ仙台と20位横浜FCが26で並んでいた。

清水粘りのドロー、徳島は惜しくも黒星

 第35節ではまず11月6日に清水が北海道コンサドーレ札幌と対戦。前節でFC東京に敗れたあとにロティーナ監督との契約を解除、平岡宏章監督が就任して勝負をかけた最初のゲームだった。17分にチアゴ・サンタナがセットプレーのこぼれ球から決めて幸先よく先制するが、逆転される嫌な展開。しかし、83分に滝裕太が右からのクロスを押し込んで同点に追いついたのは大きかった。このあと90+1分にヴァウドが退場しながらもなんとか守りきって連敗を3でストップ、勝ち点1を積み上げた。

 同じ6日には、徳島がヴィッセル神戸のホームに乗り込んだ。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得の3位確保へ絶対勝利をかけて向かってきたチーム相手に苦しみながらも、堂々と渡り合う展開に。しかし、57分に日本代表の大迫勇也に押し込まれた1点に泣き、0-1で勝ち点を伸ばすことはできなかった。

横浜FCが最後の最後で追いつかれる

 7日には大分がガンバ大阪をホームに迎え、点の取り合いになった。28分に左からの香川勇気のクロスがDFのオウンゴールを誘って先制したが、わずか1分でパトリックに追いつかれる。次の1点は大分のもので、39分に下田北斗のミドルシュートを呉屋大翔がゴール前で胸でコースを変えて流し込む勝ち越しゴール。それでも守りきれずに、53分にまたもパトリックに追いつかれると、84分にもPKを決められ、パトリックにハットトリックを許した。このまま2-3で敗れて、勝ち点を手にすることができなかった。G大阪はこの勝利で残留を決めている。

 仙台もホームゲームで、名古屋グランパスを迎えての一戦。14分に右サイドを崩されて最後は柿谷曜一朗に先制される苦しいスタートになった。しかし、47分にショートカウンターから一気にゴール前まで運んで、西村拓真が目の覚めるようなミドルシュートを突き刺して、同点に追いついた。名古屋もACL出場圏内の3位を目指すだけに猛攻を仕掛けたが、仙台もひるまずに対抗。ともにチャンスをぶつけ合いながら、このまま終了して仙台は勝ち点1を積み上げた。

 湘南はサンフレッチェ広島と対戦。前半早々の19分に相手が1人退場して、優位に試合を進めることになった。終始、攻撃にパワーを注いで数え切れないほどのチャンスを作る展開に。ところが最後まで実らなかったのだ。広島が人数をかけて固めたゴール前の壁を崩せそうで崩せないもどかしいシーンが続き、シュート数も24本対2本と圧倒しながらスコアレスドロー。勝ち点1を積み上げるにとどまった。

 アビスパ福岡との対戦でアウェーに乗り込んだ横浜FCは、前半を0-0で進めて55分に先制した。アルトゥール・シルバのミドルシュートは相手にブロックされながらも、パワーがあったために上空に跳ねたボールがゴール前に。これに1人反応したフェリペ・ヴィゼウがヘッドで押し込んだ。このあとも守りに入らず攻勢に出ていって、チャンスも作る好リズム。ところが、ここでゴールを割れなかったことが響く。90+1分にFKの流れからエミル・サロモンソンのシュートが岩武克弥に当たってゴールに吸い込まれる不運なオウンゴールを許して、土壇場で1-1に。勝ち点2がその手からこぼれ落ちた。早川知伸監督も涙まじりに「自分の力不足」「最後まであきらめない」と振り絞った。

 このほか、柏レイソルはセレッソ大阪を1-0で下して残留を決めている。

 この結果、15位から順に湘南と清水が勝ち点33、徳島が30、大分が28、仙台と横浜FCが27と「6チームが6ポイント差にひしめく」というタフな状況は変わらず。残り3試合に残留の行方が委ねられた。

 日本代表のワールドカップ最終予選が行われるため、第36節は1週空いて11月20日に行われる。およそ2週間という時間を使ってどのチームも積み上げを図って、最後に残留を勝ち取るのはどのクラブだろうか。

 今後の日程は次の通り。

■第36節 11月20日(土)
14時 仙台vs湘南 ユアスタ
14時 FC東京vs徳島 味スタ
15時 鹿島vs大分 カシマ
15時 横浜FCvs神戸 ニッパツ
15時 清水vs広島 アイスタ

■第37節 11月27日(土)
14時 浦和vs清水 埼玉
14時 湘南vs徳島 レモンS
14時 福岡vs仙台 ベススタ
14時 大分vs横浜FC 昭和電ド

■第38節 12月4日(土)
14時 仙台vs鹿島 ユアスタ
14時 柏vs大分 三協F柏
14時 横浜FCvs札幌 ニッパツ
14時 清水vsC大阪 アイスタ
14時 G大阪vs湘南 パナスタ
14時 徳島vs広島 鳴門大塚


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