川崎フロンターレが連覇を目前にしている。11月3日の明治安田生命J1リーグ第34節で浦和レッズと戦うが、2位横浜F・マリノスの結果次第ながら優勝が決まる可能性がある。17ゴールで今季もチームを引っ張るレアンドロ・ダミアンは、「いつも通り」を強調して臨む。

上写真=レアンドロ・ダミアンは今季17ゴール。18ゴール目で優勝を決めたい(写真◎J.LEAGUE)

「誰が決めようとチームが優勝することが大事」

 さあ、優勝へ。川崎フロンターレは11月3日のJ1第34節・浦和レッズ戦でリーグ連覇の可能性がある。川崎Fが勝って2位の横浜F・マリノスが引き分け以下か、川崎Fが引き分けて横浜FMが敗れれば決定だ。

 でも、レアンドロ・ダミアンは静かな微笑とともに、「いつも通り」と繰り返す。

「シーズンを通して毎試合が決勝だと思っています。浦和さんは素晴らしいチームですが、自分たちはいつも通りに素晴らしい練習をしていい準備をして、これからも1試合1試合戦っていきたい」

 すべての試合で同じように力を込めると一口に言っても、実行に移すのは難しい。でも、それができているからこそ、自分たちは強いのだという自負だ。

 ただ、優勝がかかっている試合だし、浦和と言えばルヴァンカップでの因縁がある。準々決勝第1戦で1-1で引き分けたあと、ホームの第2戦で3-2でリードしながらアディショナルタイム4分に決められ、3-3とされてアウェーゴールの差で敗退を余儀なくされた。その悲劇的な敗退ばかりがクローズアップされるのだが、レアンドロ・ダミアンが見ているのは別の角度から。

「勝利を手の中につかみかけながら落とした試合でした。同じ失敗を繰り返さないことがキーポイントになります。やるべきことをしっかりやれば勝利を手にできますから、あまり意識せずに自分たちの戦いができればいいのです」

 優勝? リベンジ? そこに心を奪われてもいいことはない。それを知っている。

 浦和は今季、リカルド・ロドリゲス監督が就任してサッカーのスタイルも選手もごっそり入れ替えて、成功している。川崎Fと同じように攻撃を主眼に置いて、見る人を楽しませるスタイルを掲げている。だが、リーグ戦では3月のアウェーゲームに5-0で圧勝していて、レアンドロ・ダミアン自身は美しいジャンピングボレーを決めて、小林悠のチーム4点目もアシストしている。ルヴァンカップでも2引き分けだったし、第2戦では完璧な崩しからフィニッシュ役を務めてチームの1点目を挙げている。

「自分にとってはやりやすい相手と言えるかもしれません。もちろん浦和さんだけではないのですが、全体的に能力が高く、勝利を目指して積極的に前に出てくるチームは、守備的なチームよりはやりやすいのです」

 べったりと後ろに引いて守り倒すチームよりは、ともに攻め合うほうが持ち味を出しやすい。そうなると、三たびゴールへの期待は高まる。

 ……のだが、本人は無欲。

「もちろん、自分のゴールで優勝をもたらすことができればうれしいですが、誰が決めようとチームが優勝することが大事です」

 いつも通りに。みんなのために。レアンドロ・ダミアンのいい意味での頑固さが、チームを高みに引き上げるまで、あと少し。


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