9月24日の明治安田生命J1リーグ第28節で、川崎フロンターレは湘南ベルマーレと国立競技場で対戦した。1-0でリードしていた39分にPKで今季初ゴールを決めたのは、レアンドロ・ダミアン。一度は止められながら蹴り直しとなり、もう一度今度はど真ん中に決めてみせた。

上写真=レアンドロ・ダミアンの今季初ゴールは、仲間にとっても最高だった(写真◎J.LEAGUE)

■2023年9月24日 J1第28節(@国立競技場/観衆54,243人)
湘南 0-2 川崎F
得点:(川)山田新、レアンドロ・ダミアン

「2回目も早く動くと予想して真ん中に」

 ついに、この男が歓喜のゴールだ。川崎フロンターレのエース、レアンドロ・ダミアンが今季初ゴールを決めてみせた。

 34分に左から連係で深く進入したところで瀬川祐輔が倒された。一度はCKの判定になったが、VARチェックからオンフィールドレビューによってPKになった。

 先にCKを蹴ろうと位置についていた脇坂泰斗は、VARチェックが入ったときにPKを確信してボールを中央に蹴って渡していた。拾ったレアンドロ・ダミアンはボールを左脇に抱えた。山田新が「蹴らせてほしい」と頼んできても、離さない。

 正式にPKの判定が下ると、ボールをセットしてGK馬渡洋樹に正面に向き合う。少し左から角度をつけてボールに走り込んでゴール右へシュート。しかし、馬渡が好反応でかき出したのだった。

 湘南サポーターが歓喜に沸く中、再びVARチェックが入った。馬渡がキックよりも先に両足をゴールラインから離したとして、蹴り直しの判定になった。レアンドロ・ダミアンはもう一度PKスポットに立ち、今度はど真ん中を力強く射抜いた。ついに、2023年初ゴールだ!

「1本目で相手のキーパーが早く動いたということで、2回目も早く動くと予想して真ん中に決めました」

 うれしいゴールは冷静なメンタルから生まれたのだった。ゴールが決まると走り寄ってきた山田を強く抱き締めて喜んだ。キッカーを譲ってくれた若手への感謝が垣間見えた。

 昨季途中から負傷が続き、今季も6月に左足関節ねんざに苦しめられた。これがまだ9試合目の出場だったが、ようやくのゴール。「コンディションを高めて意識高く練習しているので、PKだが結果が出てうれしい」と顔をほころばせた。

 この夏にバフェティンビ・ゴミスが加わり、この日先制点を挙げた山田やベンチに控える小林悠、若き宮代大聖など、FWの座を巡る争いは激烈だ。だが、このチームを牽引してきた実績とプライドはダントツだ。

「自分もいままでこの日本でゴールを重ねてきたように、残りのリーグ戦は少ないけれど、さらに積み重ねられるように自分も期待していきたい」

 自分で自分に期待する。それが、リーグ通算51ゴールを重ねてきたレアンドロ・ダミアンの原動力である。


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