上写真=徳島戦では久々の「お休み」となったレアンドロ・ダミアン。前回の鹿島戦では見事な先制ゴールを決めている(写真◎ J.LEAGUE)
マルシーニョは「賢い選手」
ルヴァンカップ、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)で連続敗退というショックに襲われた川崎フロンターレにとって、J1第29節の徳島ヴォルティス戦は「仕切り直し」の意味もあった。
韓国から戻って大阪、徳島とそのまま遠征を続けて迎えたこの対戦は、3-1で勝利。リーグ戦では連勝として首位を堅持した。
勝利のほかにもポジティブな要素はあった。リーグ戦では5月以来、久々に「ノルマ」の3ゴールを記録したこと、そのうち2ゴールはこれまでは出番の少なかった知念慶が決めたこと、新加入選手のマルシーニョがデビューして全3ゴールに絡んだこと。
そして、エースのレアンドロ・ダミアンが休めたことだ。
試合に出場しなかったのは、7月5日のACLグループステージ第4戦ユナイテッドシティ(フィリピン)戦までさかのぼる。9日の同第5戦大邱FC(韓国)戦から2カ月以上、J1、ルヴァンカップ、天皇杯、ACLと4つの大会で計13試合で、途中出場はありながらも出ずっぱりだった。
徳島戦でもベンチ入りからいつでも出場する準備はしていたから、完全休養ではなかった。移動と隔離生活と試合の繰り返しで「家族と会えなくて寂しい」と悲しい顔もしたが、それでもようやく「お休み」できたことはチームにとっても大きい。
徳島戦でデビューしたマルシーニョは、ブラジルのインテルナシオナルでチームメートだった。その縁で来日前からSNSで連絡を取り合いながらサポートしてきた、いわば弟分。だから、初出場に目を細める。
「インテルナシオナルで一緒にプレーしていたので、必ず貢献してくれると思っていました。ピッチ内外でできるだけサポートして、いろいろなことを伝えたいと思っています」
心強い兄貴分の存在で、マルシーニョものびのびプレー。「彼の言葉があったから、ここに来ることができました。試合後もいいプレーだったと言ってもらえました」と愛くるしい笑顔がこぼれた。
レアンドロ・ダミアンにとっては、新たなコンビネーションを生み出す仲間になるはずだ。
「彼とこういうコンビネーションを、というものは特にはありませんが、賢い選手なので、一緒にピッチに立つことあれば、そのときにいろいろなプレーができると思います」
それが次の鹿島アントラーズ戦で実現するかもしれない。5月の前回対戦では山根視来のパスから見事なワンタッチゴールを決めて先制、2-1で勝利を収めている。
「自分としてはそういうビッグゲームが大好きで、だからこそ結果を出すことができたし、そのおかげでここまでのキャリアを築いてきました。だからこそ、結果にこだわりたい」
心の通い合う新しい仲間が加わって迎える「ビッグゲーム」。またなにかをやってくれそうな予感を漂わせている。