上写真=決勝ゴールは阿部浩之。28分、左足のきれいなコントロールショットがゴール左に飛び込んだ(写真◎ 2021 Asian Football Confederation)
■2021年7月4日 ACL・G組 GS第5節(@ラジャマンガラ・スタジアム/無観客)
名古屋 2-1 JDT
得点:(名)マテウス、阿部浩之
(J)ラマダン
相馬「チャンスに決めきれずに展開が難しく」
名古屋グランパスが苦しみながらもJDTを2-1で振り切って5連勝、1試合を残して1位突破を決めた。
すでに突破の目がなくなったJDTは出場停止選手もいてメンバーを大幅に入れ替えてきた。名古屋が早々にそのスキを突いたのがわずか2分。右サイドで阿部浩之のスルーパスに抜け出したマテウスがペナルティーエリアに入ったところで倒されて、PKを獲得。これをマテウス自身がゴール右に蹴り込んで、4分に先制点が生まれた。
ややペースを落としてJDTがボールを動かす時間が増えるものの、名古屋の守備意識は高く、前線や中盤で引っ掛けていく。28分には美しいゴールも生まれた。中盤で奪った長澤和輝がすかさず右前に展開、受けた阿部が切り返して中に進んでから左足できれいな弧を描くコントロールショットでゴール左に送り込んだ。
トピックとしては、名古屋の今大会初失点が挙げられる。42分にコービンオングの強烈な左足のミドルシュートは一度はGKランゲラックがはじいたものの、詰めていたラマダン・サイフッラーにダイレクトで押し込まれた。
後半は、JDTが主導権を握る展開が長く続いた。62分にはハズワンのシュートがバーに直撃して救われるなど、危ない場面も何度もあった。それでも、交代策を使いながら最後まで1点のリードを守って、何とか逃げ切りに成功。5連勝で勝ち点を15に積み上げて、東地区の5グループの中で1位突破一番乗りを決めた。
「首位通過が決まってホッとしています。うれしいです」と一安心の様子を見せたのが相馬勇紀。しかし、後半開始直後にマテウスが2度迎えた決定機で決めきれず、63分にも相馬の至近距離のシュートがGKに阻まれるなど、チャンスを逃し続けた。
「チームとして2-0でいい流れを作りましたが、そのあとにチャンスに決めきれずに展開が難しくなりました。しっかり決めることを次の反省にしたい」という相馬の言葉の通り、チャンスに決めておけばもっと楽になった試合ではあった。
それでも、1試合を残しての首位通過で、中2日の過酷な連戦を乗り越えた。9月からのトーナメントが楽しみだ。
写真◎2021 Asian Football Confederation