上写真=先制ゴールを決めた山崎凌吾を、アシストした相馬勇紀が祝福。名古屋が素晴らしい勝利を手にした(写真◎J.LEAGUE)
■2021年4月22日 明治安田生命J1リーグ第11節(@豊田ス/観衆7,463人)
名古屋 2-0 G大阪
得点:(名)山崎凌吾、相馬勇紀
「もう少しダイナミックにゴールを目指したい」と宮本監督
名古屋グランパスがまったく崩れない。ガンバ大阪に付け入るスキを与えずに、限りなく完璧に近い2-0の勝利。前節、サガン鳥栖に初黒星を喫した直後のゲームを勝ちきって、マッシモ・フィッカデンティ監督も「素晴らしいゲームだと評価していい」と力強くうなずく納得の勝ち点3だ。
序盤にやや押され気味だったものの、流れを引き寄せてから、幸先の良い先制ゴールは29分。左サイドをドリブルで突破した相馬勇紀がセンタリング、中央で山崎凌吾が蹴り込んだのだが、このゴールがまた最高だった。
相馬はそこまではカットインでフィニッシュにもつなげていたが、この試合で初めて縦に突破して抜け出しに成功した。ニアにはマテウスが突っ込んで相手の注意を引き、山崎はニアに一歩入るふりをしてバックステップでファーに逃げてフリーになった。それぞれのアクションが見事に連動した先制点だった。
ここまで6試合でわずか1得点と苦しむG大阪は逆に、連動という点で物足りなかった。2トップにパトリックとレアンドロ・ペレイラを並べて個のパワーを全面に押し出した攻撃に出ようとするが、そこへ送り込むのはロングボールが多く単調になって、名古屋の守備陣に余裕を持って対応された。名古屋がしっかりと4-4-2のブロックを敷いてしまえば、最終ラインで動かしたあとのパスの出口がなく、停滞感が強まった。深い悩みから抜け出せないままだった。
名古屋は55分に追加点を挙げたことで、さらにその堅実さを際立たせていった。
G大阪の最終ラインのギャップを突いた相馬が吉田豊の縦パスで左サイドを抜け出すと、今度は自ら持ち込んで縦に出ながら切り返し、右足でゴール右に流し込む冷静なフィニッシュ。後半が始まってわずか10分でさらに優位に立ったのは大きい。
2点を追うことになったG大阪は交代策を駆使して攻撃に圧力をかけようとするが、前半と同じように名古屋が堅い守りで個を分断していった。名古屋はさらに77分にボランチの長澤和輝を入れて4-3-3へ、81分にセンターバックの中谷進之介を入れて5-3-2へと手堅く選手の配置を整えて、ますます盤石なディフェンスを築いて試合を締めた。
G大阪はシュートこそ10本を放ったものの、決定機も少なくこれで3敗目。「最後の仕掛けの部分は足りなかった。もう少しダイナミックにゴールを目指したい」と宮本恒靖監督が言葉少なになるのも仕方なかった。
この勝利で勢いを増した名古屋は、いよいよ4月29日と5月4日の川崎フロンターレとの連戦で勝負に出る。フィッカデンティ監督は「最初の試合に集中して、一番いいものをぶつけられるように準備するという考え方で臨みます」と見据えた。
写真◎J.LEAGUE