上写真=191センチの長身が魅力的な立田悠悟。攻撃でも守備でもそのサイズを生かしていく(写真提供◎清水エスパルス)
自分の位置に素早く帰るように
−−清水エスパルスはオフの話題の中心になりました。ロティーナ監督、イバン・コーチが加わり、新加入選手も実に11人。驚きでした。
立田 選手が多く変わりましたし、やろうとするサッカーが大幅に変わっています。まだ全部を覚えられたわけではないけれど、やろうとしていることの中で選手個々の色を出しながらつくっている最中ですね。
−−新しいサッカーのスタイル、どんなふうに感じていますか。
立田 特に守備について細かく指示をする監督です。ほぼゾーンディフェンスというか、後ろの選手はセーフティーにやること、自分の位置に素早く帰るように、ということをすごく言われるので、体で覚えるのが一番早いですね。攻撃はコーチのイバンが主に担当していて、対戦相手の戦い方に応じてビルドアップしていくので、試合で出せるように守備と同じように体で覚えられればいいと思います。
−−いまは、まさに体に染み込ませている段階なんですね。
立田 最初の頃は頭で考えなければ動けない感じだったんですけど、最近は自然に動けるようになってきました。それがチーム全体でできればいいと思っています。なんとなくもうそこにいる、みたいな感じにはなってきています。
−−センターバックとしては、これまでの戦い方と似ている部分、異なる部分、どちらのイメージが強いでしょうか。
立田 いままでは自分の前にスペースと相手がいることが自分としてはやりやすいというか、横並びになっても外に追いやれるからいいと思っていました。しかし今回、最初の練習試合のときに、それは違うと言われて。相手の進行を止めるためにスペースを埋めて、相手を後ろに置いたとしてもまずはスペースを埋めよう、そこでパスを出させなければ問題ないんだから、と言われました。それでいまは全体的なスライドが早くなりましたね。こんな感じで、新しいことだらけです。
−−それは、人を警戒するよりはスペースを埋めることを重視するということですか。
立田 もちろん最終的にゴール前では人を抑えることにはなりますけど、フィールド全体の配置を大事にする監督なので、早くスペースを埋めていこうと言われています。
−−攻撃では、ビルドアップの部分で関わりが増えてきそうですね。
立田 昨年よりももっとセーフティーというか、つなぐことはつなぐんですけど、センターバックからボランチにつけるパスや縦に刺すボールを送って取られるぐらいだったら、例えばサイドハーフに蹴っちゃっても問題はないから、という話はしています。とにかくまず、後ろはセーフティーに、ですね。
−−その点では判断の早さが求められそうです。ボールが足元に入ったときに最初に見る場所はどこですか。
立田 ボールを持ったら一番遠くを見ることは変わっていません。対角線上の味方を見ながらですね。ボールの動かし方が定まってきて流動的に人も動いて、誰かをあけさせるようなボール運びをしているので、そのときもまずは遠くから見て、運べたら運ぶ、という判断でやっています。
−−4-4-2のフォーメーションの中で、立田選手はセンターバックでプレーすることは変わらないですよね。
立田 はい。あとはいまはサイドバックでもプレーしています。このサッカーのサイドバックは内側に入ってビルドアップのときにボランチのような役割を与えられるんです。後ろに相手がいるという状況がこれまでなかなかない人生だったので、すごく新鮮というか、新しいことにチャレンジできているので楽しさがあります。これをモノにできたらまた一つ大きくなれると思うので、その意味でもプラスにやっています。