大型補強が話題となった名古屋グランパスで、大きな刺激を得ているのが相馬勇紀だ。ポジション争いが激化する中で、2月3日の練習試合では2ゴールとインパクトを残した。得点にフォーカスすると決めた1年へ好スタートだ。

上写真=軽やかに体が動くと手応えを覚えている。相馬勇紀が次のステップに進む年になる(写真提供◎名古屋グランパス)

「パワーと軽さの中間がどこなのか」

 2月3日、大宮アルディージャとの練習試合では45分を3本戦ったが、3本目に2ゴールを挙げたのが相馬勇紀。選手がぐんと伸びていくときのダイナミズムは見る人の心を動かすが、2021年をそんな年にしようと狙っている。

「まずとにかく、今年は得点というところにフォーカスを置いてプレーしていますし、どう得点を取るかとずっと考えていました。2得点は素直に良かったですけど、これをほかの試合でも、毎日でも続けられるかが大事になってくるので、気を引き締めていきたいと思います」

 変革の兆しを証明してみせた2ゴール。同時に、これを続けなければ意味がないことを過去3年のキャリアで学んできた。リーグ戦ではここ2年はともに31試合で2ゴール。本人が一番、物足りなさを感じている。

「1点目に関しては今年はクロスの入り方について、得点を取るのに必要なことはクロスだと思っていて、そこの動き出しを勉強しているし、タイミングを感じています。2点目は斜めのランニングで相手の背後を突くのが良かったです。しっかり首を振れて相手の状況を見てキーパーもかわせたので、いい形だったと思います」

 取り組んできたことが形になった。偶然ではなく必然だったからこそ、価値がある。いわばゴールの型が定まってきた証拠だが、そのベースにあるのは体。体調管理の成果に大きな手応えを得ていることを明かした。

「減量しようとしていたというよりは、自分がさらにステップアップしていく上で食事や栄養に力を入れようと考えていて、自分の体に合うもの合わないものを整理していった結果、(食事の)量を極端に減らしたわけではないけれど、自然と体が絞れていったんです。動きやすい環境なので、継続したいと思います」

 昨年10月に肋骨を骨折したときに栄養摂取の重要性について学んだことを明かしていたが、その意識がより一層、高まった。

「去年まではパワーと軽さの中間がどこなのかを模索していたんですけど、今年に入っていまが一番いい状態でプレーできています。体重は5キロ減りました。かなり減ったけれど、スピードも残っていますし当たり負けもしないので、いい状態でできています」

 筋肉をつけすぎればモーションが重くなる。細ければ倒される。そのバランスを探った結果、昨季対比で「5キロ減」のところで針は止まった。

「単純にポジション争いも激化していますし、それとは別にどれだけチームで声をかけて良い連携を取れるのかが大切だということは、サッカーをプレーしてきてずっと感じているものなので、僕だけじゃなくてたくさん声が出ているのは良かったです」

 自己改革とチーム改革。その両方を見据えて、相馬が「大変身前夜」を過ごしている。


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