上写真=家長は冷静に先制のPKを流し込み、12連勝に貢献した(写真◎Getty Images)
■2020年10月31日 J1リーグ第25節(@等々力:観衆11,061人)
川崎F 2-1 FC東京
得点者:(川)家長昭博、中村憲剛
(東)ディエゴ・オリヴェイラ
「謙虚に入れていることを感じています」
24分に川崎フロンターレが決めた先制ゴールはPKによるものだった。守田英正のループパスに反応したレアンドロ・ダミアンが倒されて得た。キッカーは家長昭博。落ち着いてGK波多野豪の逆を突き、左足でゴール右スミに蹴り込んだ。これがクラブのJ1での550ゴール目だった。
「550ゴールはみんなが積み重ねた歴史ですね。たまたまPKを蹴らせていただいて、大事な場面で蹴らせてくれたチームメートに感謝しています。GKはなんとなくは見て蹴りましたけど、落ち着いて決めることができました」
そのPKの瞬間と同じような落ち着いた口ぶりだ。これで12連勝。自分たちの記録をまた更新した。
「いま連勝できていることに関しては特別な思いはないんですけど、サッカーを辞めたあとにこういう記録を作ることができたんだなと誇りに感じるときが来ると思います。連勝しているチームの雰囲気を味わえていると思うので、これを13連勝、14連勝と伸ばしていって、もっと良い記録を作れるようにみんなで頑張っていきたいと思います」
その勝利を決めたのは、中村憲剛のゴールだった。1-1の同点に追いつかれ、なおも攻められていた嫌な時間帯。74分に三笘薫が左サイドを突破し、折り返しを左足で蹴り込んだ。中村はこの日が40歳の誕生日だった。大卒ルーキーからチーム最年長のベテランにボールがつながった。家長も中村のすごみを感じている。
「まず一緒にプレーしていて40歳だと感じないくらい、いまでも素晴らしいパフォーマンスだと思います。心強い選手がケガから帰ってきてくれて、40歳の今日、決勝点を決めてくれて、選手にとってもそうですけどクラブやサポーターにとっても、川崎そのものが憲剛さんという偉大な選手です。誕生日に決勝点を決めるという日に一緒にピッチに立てて光栄です」
時間も空間も自在に操る技術を誇る選手が、中村と家長と2人もいることが、このチームの最大の強みかもしれない。
「(試合後は)特に会話はしていないですけど、憲剛さんとはボールで会話していますし、変わらずいい関係でプレーしたいと思っています」
そんな2人のゴールで連勝記録を12に伸ばした。それなのに、どの選手もまったく浮つくところがない。クラブカラーだと言ってしまえばそれまでだが、そこにこそいまのチームの強さがあるのだと家長は言う。
「一つのゲームに対して集中してみんなが取り組めていると思います。(2位とは)勝ち点はだいぶ離れていますけど、謙虚に試合に入れていることを感じています。あとは練習から非常に試合に出たいという選手の雰囲気を感じるので、その中でいい競争ができています。出ている選手も出ていない選手もリスペクトしながらやっているので、日々成長しながらやれている結果だと思いますし、そういうところに強さを感じます」
中村と家長、だけではない「ボールの会話」が、川崎Fの勝利の源だ。優勝まで、もう少し。
取材◎平澤大輔 写真◎Getty Images