明治安田生命J1リーグで首位を独走する川崎フロンターレを止めに入った名古屋グランパス。前回は1-0で勝利したが、今回は0-3で敗れた。手応えを感じながらの敗戦に、米本拓司はとにかく前を向いて進んでいる。

上写真=米本拓司は川崎F戦の前半の戦いに手応えも得ている(写真◎Getty Images)

「ここぞというときに出ていけるパワーの使い方を」

 悪くなかった。だからこそ、悔しさは倍増する。

 名古屋グランパスが首位を独走する川崎フロンターレに挑んだJ1第23節。前回対戦では1-0で勝利を収め、川崎Fの連勝を10で止めた。今回も川崎Fが10連勝中での対戦というデジャヴ。もちろん名古屋のサポーターは同じ結果を期待していた。

 前半は0-0で進んだ。川崎Fに攻め込まれながらも耐え、名古屋も盛り返してチャンスを作っていった。そして迎えた44分。名古屋から見て左からの川崎FのCKでニアサイドに飛んできたボールを谷口彰悟にヘッドでフリックされ、中央に流れたところを三笘薫に押し込まれた。

「手応えはありましたけれど、セットプレーは自分のところでやられました」

 そう悔やむのは米本拓司である。谷口と競り合いながらほんのわずか先に触られた。

「あれがなければ、相手もやられているという感情になって焦ってもらえたと思うけど、あそこで失点して相手に余裕が生まれてしまいました。ああいうスキを見逃さないのはさすが首位のチームだと思いました」

 そこまでのプレーは誇れるものだった。

「前半は点を取られるまではやれていて、ボールを持たれていたけど守れてチャンスは作れていました。内容は悪くなかったですね」

「そういう中でも自分たちのサッカーができればああいうサッカーができるので、それをスキを見せずに90分できたのがセレッソ戦(第21節○1-0)やほかにゼロに抑えることができた試合だったと思います。それを全試合でできれば本物になれるので、そこは追求したいと思います」

 過密日程だから、その追求への作業もスピードアップが必要になるが、中2日で戦うのが横浜F・マリノス。昨季チャンピオンだ。第15節のホームゲームでは2-1で勝っている。

「前回は気持ちの部分で上回って勝ったのは間違いありません。もうちょっと握る時間を増やすことによって、相手の後ろが空いたときにカウンターが狙えると思います。うちには速い選手がいますし、前に前にというよりも、ここぞというときに出ていけるパワーの使い方をすることが大事かなと思っています」

 攻撃に特徴のある横浜FMを意図的に引き込んでおいて、一気にカウンター。そんな絵が見える。発動するのは、米本の右足から繰り出される自慢のミドルパスに違いない。


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