上写真=金崎のゴールを守り切った名古屋が完封勝利を飾った(写真◎J.LEAGUE)
■2020年10月4日 J1リーグ第20節(@埼玉:観衆9,357人)
浦和 0-1 名古屋
得点:(名)金崎夢生
浦和メンバー◎GK西川周作、DF橋岡大樹、トーマス・デン、槙野智章、宇賀神友弥(81分:山中亮輔)、MF関根貴大(59分:柏木陽介)、エヴェルトン、長澤和輝(64分:伊藤涼太郎)、マルティノス(81分:武藤雄樹)、FW興梠慎三、杉本健勇(59分:レオナルド)
名古屋メンバー◎GKランゲラック、DF オ・ジェソク、中谷進之介、丸山祐市、吉田豊、MFマテウス、稲垣祥、米本拓司、相馬勇紀、FW前田直輝(69分:ガブリエル・シャビエル)、金崎夢生(89分:山﨑凌吾)
「闘志のこもったプレーを見せた」(フィッカデンティ監督)
ボールを支配されて、どれだけ自陣に攻め込まれても焦ることはない。名古屋グランパスのコンパクトな守備ブロックは鉄壁だった。序盤から浦和レッズにペースを握られ、再三サイドを破られても、最後の牙城は崩れなかった。何度もクロスをはね返し、シュートを打たれてもランゲラックの好セーブでゴールを死守した。
スコアが動かないまま迎えた54分、我慢が実を結ぶ。マテウスが独力で左サイドを打開。GKの頭上を越す丁寧なクロスをファーサイドに送ると、待っていたのはストライカーの金崎夢生。今季途中加入のFWが頭で押し込み、貴重な先制ゴールをマークする。
先手を奪うと、より戦い方がはっきりした。大きなリスクを犯すことなく、守備を固めることに注力。ただ、自陣にこもるのではない。一定の高さにラインを保ち、最後まで全体が間延びしないように集中力を維持した。ペナルティーエリア付近での体を張った守備も目を見張るばかり。センターバックの丸山と中谷、ボランチの米本と稲垣が中央を固めて、終了の笛が鳴るまで虎の子の1点を守り切った。敵地で勝ち点3を手にしたマッシモ・フィッカデンティ監督の表情には充実感が漂っていた。
「決定的なシーンもつくられましたが、ぎりぎりのところで踏ん張れました。絶対に点を取りにいくんだ、取られなければ負けないんだ、という闘志のこもったプレーを最後まで見せてくれたと思います」
一方、浦和は3試合連続無得点で3連敗。本拠地では約1カ月も白星から見放され、5戦勝ちなしの状態が続いている。大槻毅監督は現実をしっかり受け止めていた。
「結果は残念です。ゴールを取れなかったのも残念。ただ、選手たちが最後まで戦う姿勢を見せてくれたことには感謝しています。結果のところでは監督が責任を負わないといけないと思っています」
この日から最大5000人の入場制限が緩和され、9357人の観客が詰めかけたものの、勝利を届けることはできなかった。
取材◎杉園昌之 写真◎J.LEAGUE