上写真=エンブレムに触れて喜びを表現。今季10点目を頂上決戦で決めてみせた(写真◎J.LEAGUE)
■2020年10月3日 J1リーグ第20節(@ヤンマー:観衆11,842人)
C大阪 1-3 川崎F
得点:(C)奥埜博亮
(川)オウンゴール、レアンドロ・ダミアン、三笘薫
「ヘッドで決めるイメージはできていました」
山根視来のセンタリングがクリアされて、右CKを得たのが81分のこと。ここで川崎フロンターレの鬼木達監督は小林悠に代えてレアンドロ・ダミアンを投入する。これが82分。
そして、その直後の83分にレアンドロ・ダミアン自身が決勝ゴールとなる2点目を決めたのだ。
大島僚太が蹴った右CKは一度はクリアされたが、こぼれたところを旗手怜央がペナルティーエリアの外からダイレクトで強烈なミドルシュート。GKキム・ジンヒョンに鋭く反応されたもののキャッチすることまではできず、こぼれ球をレアンドロ・ダミアンがきっちり押し込んだ。背番号9がピッチに足を踏み入れてから、たった25秒後の出来事だった。
もちろん、これがこの日のファーストタッチ。最初のプレーでゴールを決めることはこれまでもあったというが、「コーナーキックの場面で入ったので、ヘッドでゴールを決めるイメージはできていました。でも違った形でこぼれ球が転がってきて、ファーストタッチで決めることができました」とニッコリ笑う。
先発と交代出場を繰り返しながらチームに貢献していて、第15節のヴィッセル神戸戦、第16節のサンフレッチェ広島戦、第17節の浦和レッズ戦では3試合連続ゴールを決めている。ここ2試合はゴールはなかったが、調子が悪いわけではない。このゴールの場面でも、CKがクリアされたところでポジションを取り直し、旗手のシュートに合わせるように、しかもオフサイドにならないタイミングでゴール前に入っていったからこその得点だった。
これで二ケタに乗せる今季10ゴール。来日1年目の昨季は9ゴールだったから、過去の自分を上回るうれしい一発でもある。11ゴールの小林に続いてチームで2番目に多いゴールをマークしている。
ピッチに入るまではC大阪に主導権を握られる時間もあった。だが、ピッチの外から見ていて「あのような形で失点してしまったけれど、全体を通したらいつも通りコントロールできていたし、自分が入ったタイミングでチームのパワーになれればいいと思っていました」と平然。さすが首位を行くチームのメンタル面の充実がうかがえる。
「いまのグループは誰がスタートで出ても途中から入っても、一人ひとりが特徴を生かしてパワーをもたらしています。今日は交代した自分たちの力をチームの力に変えることができました。いままでもずっとそうやって進んできているので、これからもまた、誰が入っても同じようにやっていけます」
これでC大阪とは勝ち点14差をつけた。リーグ優勝へ「一人旅」が続くが、中3日でJリーグYBCルヴァンカップ準決勝のFC東京戦が控える。2冠に向けて、まだまだ志高く戦う日々が続きそうだ。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE