明治安田生命J1リーグ第12節の注目は、10連勝で首位を走る川崎フロンターレを名古屋グランパスが止められるかどうか。名古屋の守備を司る中谷進之介は、恐れることも余計な力を入れることも必要ない、と話すのだ。

上写真=名古屋の壁、中谷は川崎F戦勝利への意欲に満ちあふれている(写真◎Getty Images)

「スピーディーになってきた」

 言わずとしれた守備の要だ。センターバックでコンビを組む丸山祐市とともにリーグ戦全試合にフルタイム出場している。名古屋の壁、ここにあり。

 強さもうまさも備えていて、状況を見極めた上で落とし込むアイディアも豊富。だから、10連勝で首位をひた走る次節の相手、川崎フロンターレについても見えていることがたくさんある。

「フロンターレさんは前線のタレントが豊富でいろんなタイプの選手がいます。去年はゆっくりしたテンポで攻めてきたのに、今年から山根(視来)選手や三笘(薫)選手が入ってスピーディーになってきました。そういうところ注意したいと思います」

 速さについて指摘したのは、8月12日にJリーグYBCルヴァンカップで一度、対戦していた実感からだ。90分を通して得た情報を生かさない手はない。

「三笘選手が今年から入っていて、あのスピード感はあの試合で初めて感じました」と驚くのは、その三笘に2ゴールを決められたことも大きいがが、対応法もすでに示した。「プレッシャーを前からかけていけばチャンスは来るというのは、前回の前半を見れば分かります」

 もちろん、全体にスピードアップした相手を抑えるという受けの手法だけではなく、こちらから主導権を持って戦うのが名古屋のスタイル。

「我慢する時間も必要だと思いますし、自分たちがボールを持って攻めたいので、相手に対しての守備はもちろん、自分たちが攻撃をどう構築していくかが大事です。そこを放棄したら、相手のペースになってしまいます」

 自分たちの意志で攻めるのは、ゴールを奪うためであるのはもちろんのこと、川崎Fにリズムを作らせないことも理由だ。攻撃は最大の防御。そして川崎Fが狙ってくるもの同じこと。攻撃が守備で、守備が攻撃で。奥深い90分が待っている。

「監督も言っていましたけど、34試合の内の1試合であることに変わりはありません。だから平常心で臨みますが、勝ち点差が離れているので死ぬ気で取りに行きます。6ポイントゲーム以上のものがあると思っているので、食ってやるぞという気持ちです」

「でも、何かを変えることによって浮き足だつのも嫌ですし、ルヴァンカップで戦って力の差はそこまでないと感じています。恐れる必要はないし、普段より力を入れる必要もありません。でもメンタル的には、前へ前への気持ちをなくさないようにやっていきたいと思います」


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