東京五輪の女子サッカー競技は30日、準々決勝が行なわれた。カシマスタジアムではオーストラリア女子代表とイギリス女子代表が対戦。試合は激しい点の取り合いとなったが、最後に笑ったのはオーストラリア。89分に同点として持ち込んだ延長戦で2点を追加。強豪イギリスを破って準決勝進出を決めた。

上写真=ゴールを奪って絶叫するサム・カー(写真◎Getty Images)

■2021年7月30日 サッカー女子・準々決勝(@カシマスタジアム)
イギリス女子 3ー4 オーストラリア女子
得点:(イ) エレン・ホワイト3
   (オ)アラナ・ケネディ、サム・カー2、メアリー・ファウラー

・イギリス女子メンバー:GKエリー・ローバック、DFルーシー・ブロンズ(112分:ジョージア・スタンウェー)、テファニー・ホートン、リア・ウィリアムソン、 デミ・ストークス(58分:ミリー・ブライト)、MFキーラ・ウォルシュ(96分:ソフィー・イングル)、カロライン・ウィア、レイチェル・デーリー(58分:フランチェスカ・カービー)、キム・リトル(80分:ジル・スコット)、ローレン・ヘンプ(96分:ニキタ・パリス)、FWエレン・ホワイト

・オーストラリア女子メンバー:GKティーガン・マイカ、DFエリー・カーペンター、アラナ・ケネディ、アイビ・ルイク(80分:エミリー・ギルニク)、MFヘイリー・ラソ(88分:クロイ・ロガーゾ)、エミリー・バンエグモンド、タメカ・ヤロップ、ステファニー・ケートリー、FWカイア・サイモン(80分:メアリー・ファウラー)、カイトリン・フォード(80分:カーラ・クーニークロス→108分:クレア・ポーキンホーン)、サム・カー

諦めなかった豪州、89分に同点ゴール!

 先制したのはオーストラリアだ。右CKの場面。ケートリーが蹴ったボールをアラナ・ケディが打点の高いヘッドでゴールに叩き込み、イギリス優位という戦前の予想を覆す。その後もスペースに走り込み、セカンドボールの回収に力を注いでアグレッシブなプレーを継続。イギリスにチャンスがなかったわけではないが、前半45分はオーストラリアの時間になった。

 だが、イギリスにはこの人がいた。日本戦にめっぽう強いことで知られるFWが、オーストラリア相手にも自らの得点能力を見せつける。57分、左から送られたペンプによるインスイングのクロスに飛び込み、ヘディングシュート。まずは同点とした。さらに66分、今度はボックス内の混戦でこぼれてきたボールを逃さず、右足のコントロールシュートでネットを揺らした。

 アッという間の逆転劇。イギリスが地力を示したが、オーストラリアにも決定的な仕事のできる選手がいた。主将にして得点源のサム・カーだ。オーストラリアは勝負をあきらめていなかった。終了間際の89分のこと。右サイドからのロングフィードに対して、イギリス守備陣がかぶってしまう。DFの背後でボールを収めたのがカーだった。GKの位置取りを見て落ち着いてシュートを放ち、ギリギリのところで同点に追いついた。

 敗色の濃厚の状況から試合を振り出しに戻したオーストラリアは、その勢いを駆って延長に臨んだ。延長前半にイギリスの猛攻に遭い、100分にはPK機会を与えてしまうが、ウィアのキックをGKマイカーが読み切ってストップ。ピンチ脱するとその直後に、ギルニクがネットを揺らして勝ち越しに成功する(103分)。すると延長後半開始早々の106分には左サイドからのクロスに飛び込んだカーがこの日、自身2点目となるゴールをスコア。4-2としてイギリスを突き放した。

 イギリスもこのままでは終われないと、最後の力を振り絞ってゴールを目指し、115分に右CKの流れからホワイトがヘディングでハットトリックとなる3点目を挙げた。しかし、そこまでだった。次の1点は生まれず、試合終了の笛が鳴る。延長戦までもつれた激闘は、オーストラリアの勝利で決着。強豪のイギリスに競り勝ち、準決勝に駒を進めた。


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