歴史を学ぶ『日本サッカー温故知新』の第7回。この連載では日本サッカーが大きく発展した『平成の30年間』を写真と記録で振り返る。平成7年度(1995年度)はJリーグと天皇杯で新チャンピオンが誕生した。

上写真=JSL時代の名門・日産がマリノスとなり、J開幕後に初めてリーグを制覇した(写真◎J.LEAGUE)

ワールドクラスのJ競演

 このシーズン、Jリーグの試合数は史上最多だった。14チームによる2回戦総当たり・2ステージ制で優勝が争われたため、通算で年間52試合を戦うことになったのだ。

 長丁場のリーグ戦でそれまでの勢力図に変化が起きた。浦和レッズは元ドイツ代表ギド・ブッフバルトが統率する守備や、得点王となる福田正博の活躍などで躍進。名古屋グランパスエイト(当時)もリーグMVPに輝いたドラガン・ストイコビッチにけん引され、2ndステージ2位と急上昇した。名古屋は年度末の天皇杯を制してもいる。

 そして、Jの覇権を手にしたのも新王者だった。シーズン途中にホルヘ・ソラーリ監督が帰国する混乱に見舞われた横浜マリノスだったが、川口能活、松田直樹ら若手の活躍もあって台頭。チャンピオンシップでリーグを連覇していた宿敵ヴェルディ川崎を破り、ついに頂点に立った。

 またこのシーズンにもJリーグには大物が続々と来日した。とりわけ前年のワールドカップで優勝したブラジル代表のメンバー、ジーニョ(横浜フリューゲルス)、ジョルジーニョ(鹿島アントラーズ)、ドゥンガ(ジュビロ磐田)らがリーグを盛り上げた。

■平成7年度の主な出来事(1995シーズン)

・1月8日 加茂ジャパン初の公式戦となったインターコンチネンタル選手権で連敗を喫し、敗退
・1月17日 阪神・淡路大震災が発生。JFL所属のヴィッセル神戸は練習場を転々としながら活動する
・1月22日 横浜Fがアジア・カップウィナーズ選手権を制し、アジア初タイトルを獲得
・2月26日 ダイナスティカップ決勝で韓国を下し、日本が大会連覇
・3月11日 V川崎がゼロックス杯で連覇達成
・3月18日 Jリーグ開幕。94年W杯優勝メンバーのジーニョ、ジョルジーニョらがJデビュー
・3月26日 全日本女子選手権はプリマハムが優勝(第16回・94年度)
・4月7 日 ワールドユース(カタール大会)で初のベスト8進出
・6月6日 女子世界選手権(第2回女子ワールドカップ)でベスト8に進出し(アメリカに敗れる)、アトランタ五輪出場権獲得
・6月10日 聖地ウェンブリーでイングランドと対戦するなど、アンブロ杯に出場した日本の最終成績は1分け2敗
・6月15日 磐田に加入するブラジル代表主将のドゥンガが来日
・7月1日 ジェノアにレンタル移籍していたカズが古巣V川崎に復帰
・7月22日 横浜Mが初のステージ制覇
・7月29日 オールスターでJ・ヴェガがJ・アルタイルに勝利
・8月8日 U-17世界選手権(エクアドル大会)で日本はグループステージ敗退
・9月2日 ユニバーシアード(福岡大会)で初の金メダルを獲得
・9月3日 高円宮杯(U-18)で清水商高が3連覇を達成
・10月10日 JOMO CUPが開催され、JAPAN DREAMSがカズの2ゴールでWORLD DREAMSを下す
・11月15日 V川崎がニコスシリーズ3連覇達成
・11月21日 福岡と京都のJリーグ昇格が承認
・11月22日 ネルシーニョ代表監督誕生が決定的だったが、加茂体制継続が決定
・11月23日 大学選手権で駒澤大が初優勝
・12月6日 横浜Mがチャンピンシップを制し、初の年間王者となる
・12月24日 Lリーグでプリマハムが優勝
・12月27日 アジア・カップウィナーズ杯で平塚が優勝
・96年1月1日 天皇杯は名古屋が初優勝(第75回・95年度)
・96年1月8日 高校選手権は静岡学園高、鹿児島実高が両校優勝(第74回・95年度)

画像: 横浜フリューゲルスに加わり、10番を背負ってプレーしたジーニョ(写真◎J.LEAGUE)

横浜フリューゲルスに加わり、10番を背負ってプレーしたジーニョ(写真◎J.LEAGUE)

画像: 鹿島アントラーズに加入し、プロ選手の凄みをチームに還元したジョルジーニョ(写真◎J.LEAGUE)

鹿島アントラーズに加入し、プロ選手の凄みをチームに還元したジョルジーニョ(写真◎J.LEAGUE)

画像: 闘将と呼ばれたドゥンガはジュビロ磐田で若い選手たちに勝者のメンタルを伝えた(写真◎J.LEAGUE)

闘将と呼ばれたドゥンガはジュビロ磐田で若い選手たちに勝者のメンタルを伝えた(写真◎J.LEAGUE)

画像: 世界を知るギド・ブッフバルトは浦和レッズの躍進の立役者となった(写真◎J.LEAGUE)

世界を知るギド・ブッフバルトは浦和レッズの躍進の立役者となった(写真◎J.LEAGUE)

画像: JリーグMVPに輝いた名古屋のドラガン・ストイコビッチ(写真◎サッカーマガジン)

JリーグMVPに輝いた名古屋のドラガン・ストイコビッチ(写真◎サッカーマガジン)


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