上写真=岡崎寅太郎(9)を中心に喜びの輪ができる。岡崎は開幕戦で2ゴールを挙げてエースの証明(写真◎KAWASAKI FRONTALE)
個性派揃いのメンバーがずらり
川崎フロンターレU-18は、硬かった。
「想定を上回るあの硬さですよ」
長橋康弘監督も思わず苦笑いだ。川崎フロンターレU-18は昨季、初昇格したプレミアリーグEASTでいきなり優勝。そして迎えた「2年目」のスタートは、緊張でガチガチだった。だが、終わってみれば前橋育英高に3-0の快勝である。
前半は0-0のまま。それでも時間を追うごとに個々の技術の高さがつながりを持ち始めると、後半から登場した左サイドバックの柴田翔太郎が自慢の突破力を見せつけて左サイドで勇躍、そこから2つのゴールを導いてみせた。
52分、MF志村海里の左からのセンタリングに合わせたエースのFW岡崎寅太郎が蹴り込んで先制すると、60分に柴田が輝く。左サイドをドリブルで素早く駆け抜けてセンタリング、岡崎が放ったシュートはバーに当たるが、こぼれたところを岡崎がもう一度蹴り込んで2-0とした。69分には再び柴田が左を破ってファーサイドに送り、加治佐海のヘディングシュートを導いた。
「前半は、相手に5-4-1の布陣で固められていたけど、サイドから入りどころはあるな、と」柴田はベンチにいた前半は冷静に観察していて、「(左サイドハーフの志村)海里くんとの関係でサイドを崩せて点につながって良かったです」と会心の笑顔を見せた。
U-17日本代表のアルジェリア遠征から帰って間もなかったが、疲れは見せずに堂々の仕事ぶり。チーム2点目は岡崎が最初のシュートで決めなかったので柴田にアシストがつかず、試合後に「アシスト消えちゃった!」と冗談で岡崎に突っ込みつつ、「それでも決めてくれるのがトラくん」とエースへの信頼を口にした。
その岡崎はエースの自覚たっぷりだ。1点目は「(アルゼンチン代表の)ラウタロ・マルティネスの動画を見てインスピレーションを得た」ヒールキック。「キーパーは読みづらかったと思う」と相手の目の前に一瞬で出て、GKの嫌がるショットを落ち着いて選択できる、ストライカーらしい一撃だった。柴田の折り返しから生まれた2点目は、事前に話し合ったり練習でやってきた通りのパターンということで「次はちゃんと1回で決めてアシストをつけてあげたい」と笑って、柴田のクレーム(?)に答えていた。
すでに2種登録選手としてトップチームにも加わっているボランチの由井航太が悠々とゲームを作れば、70分にその隣に入った林駿佑は新1年生とは思えない落ち着きと声と技術でチームを動かすリーダーシップを見せるなど、個性派揃いのメンバーがずらり。シーズン序盤だから課題が次々に現れたのも仕方のないところだが、EASTでの連覇、そして昨季サガン鳥栖U-18に敗れたファイナルでの勝利と日本一へ、好スタートを切った。