高校生年代の最高峰の大会である「高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2023」が4月1日に開幕、2日には昨年のEASTのチャンピオンである川崎フロンターレU-18が登場し、前橋育英高校に3-0で快勝した。新しい本拠地「Ankerフロンタウン生田」での新スタートには、さまざまな意味が込められている。

好循環の輪の中に

 三笘薫、板倉滉、田中碧、三好康児、脇坂泰斗、宮代大聖、安藤駿介。施設の壁面には、そんな錚々たる「先輩たち」のアカデミー時代の写真が飾られている。

 現在のトップチームでも登録の35人中、10人がアカデミー出身だ。2022年2月には高井幸大が高校2年でプロ契約、23年には同期の松長根悠仁、大関友翔も昇格した。22年に早坂勇希、23年に山田新が桐蔭横浜大学経由でプロとして帰ってきたし、同じルートで山内日向汰も来季の加入と特別指定選手の承認が発表されている。現在のU-18では、上記のとおりに由井航太がすでに2種登録選手としてトップチームでプレーできる。

画像: 「Ankerフロンタウン生田」の施設には、三笘薫らアカデミー出身の先輩たちの写真が飾られている(写真◎サッカーマガジン)

「Ankerフロンタウン生田」の施設には、三笘薫らアカデミー出身の先輩たちの写真が飾られている(写真◎サッカーマガジン)

 神奈川県にはJクラブだけでも川崎Fのほかに、横浜F・マリノス、横浜FC、湘南ベルマーレ、Y.S.C.C.横浜、SC相模原がある。すぐ隣の東京都はFC東京、東京ヴェルディ、FC町田ゼルビアが本拠にしている。そのほかにも多くのクラブや部活動で若い選手たちが技を競っている。そんな背景の中で、選手や保護者にとって、この「Ankerフロンタウン生田」は川崎Fを選択肢に挙げるためのとてつもない魅力に映るはずだ。

 このアカデミー施設はJR南武線中野島駅、小田急小田原線生田駅から徒歩15分のところにある。南武線から接続する武蔵野線で埼玉県方向からもアクセスできるから、神奈川県や東京都に加えて、埼玉県から通うことも不可能ではない。各年代の有望選手がどのクラブに入るかは、その選手にとってもクラブにとっても未来につながる大きな意味を持つ。

 小学生年代からしっかりと育ててプロ選手を生む。その選手がトップチームで活躍して、海外のクラブに巣立ち、日本を代表する選手になる。スターになったその選手に憧れて、また若い才能が川崎Fの門をたたく。この「Ankerフロンタウン生田」がその好循環の中にしっかりと組み込まれたことで、その「輪」はさらに強くたくましくなったと言えるだろう。

 長橋監督は「新ホーム」での初戦を前に、選手たちに「素晴らしい環境を作ってくれたことに感謝して戦おう」と問いかけた。「それで余計に硬くなっちゃったのかな」と笑ったが、この土地からいつか、第2の三笘薫が、板倉滉が、田中碧が生まれるだろう。しかし、それがゴールではない。感謝の思いを抱きながら、素晴らしい選手を、素晴らしい人間をいつまでも育み続けることが、川崎フロンターレの究極の目標なのである。


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