U-24日本代表の合宿が22日スタートした。初日のオンライン取材に相馬勇紀が登場。26日(東京)と29日(北九州)に予定されているU-24アルゼンチン代表戦への意気込みと、オリンピックに向けた思いを語った。

上写真=U-24日本代表の合宿初日。ランニングする相馬勇紀(写真◎サッカーマガジン)

公式戦がない中でいかに勝ち癖をつけるか

 オンラインで取材に応じた相馬は、自信に満ちあふれていた。現在の充実がその様子からも見て取れる。開幕から6連勝中の名古屋グランパスで6試合すべてに出場。先発は4試合で1得点2アシスト。昨季はシーズンを通して2得点0アシスト(31試合出場・先発15試合)だったことを考えれば、今季の好調ぶりが分かる。オフに肉体改造に取り組み、体重を6キロを落とした。体のキレが増しているという。

「自分のなかで今年は勝負の年と位置づけて、オフシーズンにすべての面、プレーであったり、体の面を見つめ直した結果、今の自分があると思います。去年の1年間がなかったら、今の自分はなかったし、すべてが自分のためになっていると思います」

 満足できるシーズンを過ごせなかったことで「勝負の年」に臨む準備を整えた。その勝負に勝つには当然、クラブでの好成績とともに、東京五輪で結果を出すことも必要だろう。そのためにもまず、本大会のメンバーに入らなければならない。ただ、相馬本人は、三笘薫らライバルについて「特長はみんな違うと思う」と話し、自らの持ち味を出し切ることに目を向ける。

「薫、久保(建英)選手と、みんなうまいながらも、僕の特長は少し違う。一つ例を挙げるなら、足元で受けて仕掛けるのもやりますけど、背後へのランニングや、オフ・ザ・ボールの動き出しは、特に違いを出せるところだと思います。あと、パワーや球際のところでは絶対に負けたくないですね」

 戦うべき相手は自分自身。そしてピッチに立てば、チームメイトとともに目の前の相手を倒すことに注力する。それが相馬の姿勢だ。「(日本代表の)エンブレムをつけたときは、敵が誰でも絶対に負けたくないので、特に球際は絶対に負けたくないです」と代表選手としての強い思いも口にした。およそ1年前、日の丸を背負って戦ったU-23アジア選手権では、グループステージ敗退の屈辱を味わった。あの悔しさを忘れてはいない。

「自分はあの大会に参加したメンバーで、あのときの悔しさを知っています。親善試合とか関係なく、勝負に勝つというところで、内容も求めながらまずは結果、勝利するのが一番だと思います」

「当時も別に勝利を目指していなかったわけではないですけど、(オリンピック出場に向けた)予選で戦っている他の国のゴールを取ったときに喜び方とか、懸ける思いは自分たちと比較することではないですが、単純に懸かっているんだなって感じました。僕らもここから公式戦がないのは難しいと思うんですけど、どうやって勝ち癖を付けるかは、試合に勝っていくことでしかないと思う。そこをより意識していきたいと思います」

 今回の3月シリーズではオリンピック出場を決めているアルゼンチン(南米予選1位)との親善試合が2試合組まれている(26日、29日)。親善試合ではあるものの、そこでどんな戦いができるか、どんな結果を残すかが重要だと相馬は強調した。勝負にこだわってプレーしたいという。その上で、高揚する自分の気持ちも隠さなかった。

「単純に楽しみです。海外の選手とやるのがめちゃめちゃ好きなので。日本と違って、違うと言ったらあれですけど、1対1が11個あるような感覚。トゥーロン(国際大会)に行ったときに特に感じたんですけど、本当にワクワクします」

 タフでテクニカルなアルゼンチン相手に1対1を仕掛けることに胸躍らせる。約1年ぶり、そして勝負の年に臨む最初の代表戦。今回の2試合で相馬がどんなプレーを見せるのか、注目だ。


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