上写真=左ウイングバックで先発した俵積田晃太。64分までプレーした(写真◎Getty Images)
開始直後に左サイドで躍動
自陣深く引いて守るオーストラリアをいかに崩すのか。試合開始直後から日本は左の翼にボールを集めた。この一戦が代表デビュー戦だった俵積田が、積極果敢に仕掛けて敵陣に切り込んでいった。
「(森保)監督も、すごくJの試合を見てくださっていて『縦への仕掛けが最近少ないんじゃないか』と言われて、まずは縦に行こうと気持ちできました」
立て続けに左サイドを突破すると、ゴール前にクロスを供給。しかし精度が悪く、味方のシュートにはつながらなかった。
「芝に慣れてなくて、ちょっとボールが転がってクロスミスが何本かありましたけど、最後の方は修正できたし、通用するところは通用したかなって感じます」
俵積田が最も決定的なチャンスを演出できたのは、43分のプレーだ。左サイドの高い位置で内側にポジションを取る鎌田大地へタイミングよく繋いだ。鎌田はボックス左で相手守備者の逆を取ってシュート。GKにセーブされ、左CKになったが、本人も「鎌田さんがすごいいい位置に立っていてくれて、パスを出しやすくて、あのシーンは非常によかった」と振り返った。
64分に中村敬斗と交代するまで積極的な姿勢を示した。ただ、目に見える結果を出せたかと言えば答えはノー。確かに通用する部分もあったが、俵積田自身が「まだまだ」と振り返ったように、すべてを出し切れたとはいい難い。
「もっと得点に絡んだりとか、チャンスを作ったりとかしなきゃいけない。もっと自分もいろんなことを盗んでもっとレベルアップしなきゃいけないとは元々思っていましたけど、(試合に出て)さらに強く感じました」
もっとできたはずと見るか、一歩目としては及第点と見るかーー。俵積田が持ち前の突破力を見せたのは序盤に限られた。そのポテンシャルを考えれば、物足りなさがあったのは否めない。一方でワールドカップ予選であり、敵地であったことを考え含めれば、まずまずのデビュー戦だったと見ることもできるのだろう。
「今日は負けてしまったので、自分が試合に出て勝つというのは、次の目標としてやっていきたいし、全然まだまだ課題だらけなので、しっかり修正していきたい」
試合直後の取材対応で、当の本人はすでに『次』へ向けて意欲的だった。次戦はホームのインドネシア戦(10日)。つかんだ手応えを、さらに大きなものとするべく、俵積田は代表2キャップ目を目指す。