上写真=南野拓実が最終予選初ゴールで笑顔。難しい試合で貴重な先制弾(写真◎Getty Images)
■2022年2月1日 FIFAワールドカップ・アジア最終予選・B組第8節(@埼玉スタジアム/観衆19,118人)
日本 2-0 サウジアラビア
得点:(日)南野拓実、伊東純也
(サ)なし
「まだ何も決まっていない」
ナンバー10は冷徹だった。
32分、酒井宏樹の長い縦パスで伊東純也が快足を飛ばして相手を破ると、マイナスへ。中央に走り込んできた大迫勇也が余裕のスルーで、ボールはさらに後ろから入ってきた南野拓実の足元に収まった。
左足で優しくボールを手懐けておいて、右足でシュートを打つと見せかけて切り返し、左足を鋭く振ってフィニッシュ、GKの足に当たったものの勢いは勢いは失われず、そのままゴールへと届いだ。南野がようやく最終予選初ゴールだ。
「まずは今日は僕たちにとって何が何でも勝ちたかった試合の中で、攻撃の選手として試合に出ている以上、76ゴールという結果で貢献したかった。最終予選で点を奪えていなかったことに対して気負っていたわけではないですけど、チームのために貢献したい気持ちがありました。どんな形でもゴールはゴールなので、決められてよかった」
充実の笑顔がほころんだ。
序盤から苦しんだ。サウジアラビアの出足が鋭く激しい。じっくりと前にボールを運ぶことができないまま、時間が過ぎていった。しかし、30分の少し前からようやく自分たちのリズムでボールを動かしていって、29分に伊東の右サイドの突破からゴールに迫り、1分後には右から大迫のポストプレーを経由して左に回し、長友佑都のクロスでチャンスを作っていた。流れを逃さずしっかりつかんだという意味でも、そして、酒井のフィード、伊東の突破、大迫がDF2人を引き連れたラン、南野のフィニッシュワークと、個性が重なり合って生まれた意味でも、貴重な先制ゴールになった。
後半開始早々の48分には、今度は右外を酒井が駆け上がってクロス、これをファーで合わせるなど、ほかにもチャンスはあった。左サイドの「つながり」も試合をこなすごとに洗練されていった。
「自分たちのストロングポイントを出せるようなポジショニングやタイミング常に考えていて、僕は中盤のポジションで前を向いて仕掛けたり、ペナルティーエリアの中で仕事をできるにはどうしたらいいかを考えていました。(長友)佑都くんができるだけ高い位置でプレーできるようにというのは、前の試合から改善できた一つのポイントです」
その長友のパスから伊東のスーパーゴールも飛び出して、サウジアラビアの猛攻にも耐えて2-0で厳しい試合を勝ち抜いた。これで首位サウジアラビアと勝ち点1差まで迫った。ワールドカップ出場に一歩、近づいた。
しかし、予断は許さない。次は3月の3位オーストラリアとのアウェーゲーム、そしてホームのベトナム戦だ。この勢いをつなげていきたい。
「今日は非常に重要な勝ち点3を取ることができましたけど、まだ何も決まっていないので、ラストに2試合に勝って決めたい」