上写真=17日から21日まで行なわれた国内組の合宿にも参加していた谷口彰悟。コンディションは良いという(写真◎山口高明)
いつ出番が来てもいいように
吉田麻也に続き、冨安健洋のW杯アジア最終予選欠場が決まった。レギュラーセンターバック2人を同時に欠く状況は言うまでもなく、日本にとって痛手だ。現状、代わってピッチに立つCB候補は4人。植田直通、板倉滉、追加招集された中谷進之介、そしてJ1連覇の立役者、川崎フロンターレのキャプテン・谷口彰悟である。
「最終予選に向けてのスイッチは先日までの合宿よりも、入っています」
17日から21日まで行なわれた国内組の合宿の取材時にも代表に選ばれていたことについては「チャンス」と話し、最終予選のメンバーにも入っていきたいと語っていたが、メンバー入りどころか先発でプレーする可能性も高まってきた。ただ、谷口はまったくもって冷静だった。
「いつ出番が来てもいいように、というのは継続しているつもりです。それは普段のリーグ戦でも意識しながらやっていること。今回、CBが2人がケガで来れない状況になり、間違いなくチャンスの幅が増えるだろうと、今回選ばれているCB陣はみんな考えていると思う。ただし、自分自身がチームの勝利のためにいいパフォーマンスをすることが一番大事。そこに向けて良い準備ができているという感覚はあります」
昨年11月の活動時にも代表が取り組み始めた4-3-3システムについて、所属クラブでもプレーしている陣形でもあるため、自分の持ち味が出しやすいと語っていた。スムーズなビルドアップを可能にする球出しや周囲の選手への声掛けは谷口が得意とするところ。昨年6月のセルビア戦でCBとして出場し、植田とCBコンビを組んだ際は、4-3-3ではなかったが、積極的に前にボールをつけていく姿勢は見せていた。
今回は最終予選の舞台でその持ち味を発揮する機会が巡ってきそうだ。
だが、谷口は繰り返し強調した。
「まずは勝ちたいし、そのために自分の持っているもの全てを出すというところは変わりません。アピールということは考えていなくて、とにかく代表チームが勝つことを最優先に考えています。そのために自分ができることをきちんと発揮する。そのあたりの頭の整理はできていますし、自分の持ち味が出せなくても、がむしゃらに戦って何が何でも勝つということはどんな選手でもできることだと思うので。そのベースだけは外さないように。賢く戦っていきたい」
代表でのキャリアを築いていくのも勝利に手にしてこそ。谷口は中国戦、サウジアラビア戦で勝ち点3をつかみ取ることにフォーカスしている。