上写真=パリ五輪行きをかけた最終予選第1戦・北朝鮮戦はドローに終わった(写真◎Getty Images)
■パリ五輪・アジア最終予選第1戦(@プリンスアブドゥラ・アルファイサル)
北朝鮮女子 0ー0 日本女子
後半はピンチの連続に…
平壌で開催予定だった試合は、3日前まで正式に開催地が決まらず、直前でサウジアラビアのジッダで行われることが決定。国内合宿で調整を続けていたなでしこジャパンだが、この一戦に向けては準備面で難しさがあったのは確かだろう。
日本は4−3−3のフォーメーションを採用。昨年秋から試しているキャプテン熊谷のアンカー起用をこの試合も継続した。北朝鮮の情報がそれほど多くないため、試合には慎重に入っていく。ボールを丁寧につなぎ、左右に相手を揺さぶりながらゴールへのルートを探した。
だが、5−4−1でブロックを築く北朝鮮の守備を崩せない時間が続き、20分過ぎからロングボールを交えた相手の攻撃によって重心を下げられる。枠をとらえるミドルシュートも許し、逆に相手の特長を発揮されることになった。
技術面や連係面では日本が上回るものの、北朝鮮は素早い寄せとタフな守り、シンプルな攻めで対抗。前半は一進一退の攻防が繰り広げられた。
日本の前半最大のチャンスを挙げるなら42分のシーンになる。右から藤野が入れたクロスをゴール正面で田中美が収め、反転シュート。相手DFに当たってコースが変わったが、GKパク・チュミに鋭い反応で防がれてしまう。
0−0で迎えた後半は、北朝鮮の圧力に日本が押し込まれる時間が長くなった。ボールの争奪戦で劣勢になることが増え、72分には左サイドのクロスからキム・キョンヨンにヘディングシュートを打たれる。シュートはクロスバーを直撃したが、この場面の他にも後半は日本のピンチが続いた。
ただ、75分過ぎからは熊谷に代わって中盤の底に入った谷川がパスのレンジを変えて攻撃にバリエーションを生む。それまでは見られなかった幅を使った展開や深くさす縦パスも見られるようになり、北朝鮮ゴールに迫っていった。
しかし、最後までスコアは動かず、結局0−0で試合終了。後半の内容を見れば、ドローという結果は日本にとってポジティブなものだろう。中3日で臨む第2戦、国立競技場での試合にパリ行きをかけることになる。すなわち、勝てば、パリ五輪出場が決まるーー。
▼出場メンバー
・日本女子◎GK山下杏也加、DF清水梨紗、高橋はな、南萌華、古賀塔子、MF長谷川唯、熊谷紗希(69分:谷川萌々子)、長野風花(69分:清家貴子)、FW藤野あおば、田中美南(87分:千葉玲海菜)、植木理子(59分:中嶋淑乃)