鹿児島ユナイテッドFCのFW藤本憲明が、悲願のJ2復帰に男泣きした。12月2日の明治安田生命J3リーグ第38節(最終節)のガイナーレ鳥取戦で、自らのゴールはなかったもののチームが引き分け、昇格が決定。試合終了直後は静かに喜びをかみ締めていたが、昇格記念Tシャツを見た瞬間に涙をこらえ切れなくなったという。

上写真=ピッチに座り込み、昇格Tシャツを手に涙を流す藤本。6年ぶりに復帰した古巣を昇格に導いた(写真◎石倉利英)

■2023年12月2日 J3リーグ第38節(@Axis:観衆2,844人)
鳥取 1-1 鹿児島
 得点:(鳥)普光院誠
    (鹿)山本駿亮

「また新たなプレッシャーができた」

 1-1の引き分けでJ2復帰を決めた鹿児島は、多くの選手が喜びの涙。藤本は最初、目を潤ませながらも静かに喜びをかみ締めていたが、しばらくするとピッチに座り込み、目頭を押さえて泣き始めた。

「Tシャツの文字を見た瞬間に実感が湧いてきて、ちょっと耐えられなかったです」

 スタッフから手渡された昇格記念Tシャツの胸には『RETURN TO J2』と刻まれていた。2019年以来のJ2復帰を果たした喜びとともに、涙があふれてきた。

 開始2分に右からのセンタリングを蹴り込んだものの、オフサイドの判定で得点とはならず、「僕が持っていなかった」。結局シュートは後半の1本に終わり、チームが56分に先制されると、66分に交代で退いた。その後、76分に交代出場のFW山本駿亮が同点ゴール。「祈ることしかできなかったですが、みんな、よくやってくれたと思います」と喜び、「途中から出場した選手が決めてくれるのは、今シーズンの鹿児島を物語っている」と称えた。

 2016年に加入した鹿児島で2年連続J3得点王に輝き、チームのJ2昇格はならなかったものの、自身は18年にJ2の大分トリニータへ『個人昇格』。同年に大分をJ1昇格に導くと、ヴィッセル神戸と清水エスパルスでのプレーを経て今季、6年ぶりに鹿児島に復帰した。

 J3で32試合に出場して5得点を挙げ、前回所属したときにはできなかった鹿児島のJ2昇格に貢献した。大きな期待という重圧に打ち勝った結果でもあるが、本人は「また新たなプレッシャーができたと思います」とコメント。「この結果を求めて今シーズンやってきたので、うれしい反面、また新たな目標を達成するために、来シーズンやっていかなければいけないという責任も感じている」と、早くも来季を見据えていた。

取材・写真◎石倉利英


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