明治安田J2リーグ第13節、上位対決として注目されたアルビレックス新潟対ベガルタ仙台はホームチームの勝利に終わった。この結果、首位・仙台と2位・新潟との勝ち点はわずか1ポイントに詰まった。かつて新潟でプレーした仙台の中島元彦が敗戦に終わった4年ぶりの『帰還』を振り返った。

上写真=仙台の中島元彦はボールを持つたび、すぐさま新潟の選手に囲まれた(写真◎J.LEAGUE)

■2026年10月25日 J2第13節(@デンカS)
新潟 2−1 仙台
得点:(新)シマブク・カズヨシ、関口正大
   (仙)杉山 耀建

「今日、経験できたことはプラス材料」

 抜群の技術と献身で首位チームをけん引する。「仙台の王」と表したくなる中島元彦の風格、存在感である。明治安田J2リーグ第13節は、アウェーに乗り込み、2位の新潟と対戦した。

 連戦中であり、4日前はホームでの今治戦(第12節〇3-1)と対戦だった。開始1分に先制を許したが、48分、FKにタイミングよく飛び込んで頭で合わせて同点ゴール。さらに52分、74分にアシストして全ゴールに絡む大活躍で、逆転勝利の立役者となった。

 そして、勝ち点4差で迎えた上位対決で、仙台は34分、弱くなった相手のパスをカットし、そこからあざやかにサイドを崩して先制する。だが41分、55分と、逆に自分たちのボールにし切れなかったところからカウンターを浴び、失点して、1-2で敗れた。実に開幕の藤枝戦(第1節●0-2)以来となる、12試合ぶりの黒星であった。

 試合後、新潟の船越優蔵監督は、「相手のストロングポイントを、ウイークポイントに変える仕組みを作った」と振り返った。仙台にとって、最大の強みが中島のところにあるのは、いうまでもない。左サイドを主戦場に中島がボールを持つと、すぐさま新潟の選手たちが押し寄せ、間合いを詰める。徹底した警戒ぶりが、いかに新潟にとって脅威であるかを物語っていた。

 中島封じは、仙台の力を大きく削ぐことに直結した。それでも厳しい警戒網をかいくぐり、1分には敵陣でボールを奪取して間髪入れずに出したスルーパスから、47分には左サイドをスルスルとドリブルで持ち上がっての折り返しから、決定的なシーンを作り出したのはさすがである。

「いい試合はできましたけど、自分たちのミスもあった。ワンチャンスを決めるのが、J1に行くチームだし、J1のチームだと思います。そういうところを含め、今日、経験できたことは、自分たちにとってプラス材料です」

 中島にとっては、2022シーズンのJ2第40節、新潟対仙台戦以来となる、4年ぶりのビッグスワンへの“帰還”である。当時はC大阪から仙台へ育成型期限付き移籍中で、アウェーチームの一員だったが、2020シーズン途中から半年間は、C大阪から新潟へ育成型期限付き移籍してプレーしていたのだ。

 新潟に加入したのは2020年7月。新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れたこともあり、多くの試合に出場することができた。

 その年の新潟はアルベルト監督の1年目で、ポゼッションサッカーへと大転換する初期段階にあった。中島は、アルベルト監督の志向するボールを保持しながら攻めるスタイルの中心で35試合に出場し、5ゴールを挙げ、限られた在籍期間ではあったものの、濃密な記憶を新潟に残している。

 それから2年後の10月、仙台のエンブレムを胸にプレーしたシーズン終盤の戦いは、新潟に0-3で敗れる完敗だった。対する新潟は、アルベルト監督のサッカーを引き継ぎ、開花させた松橋力蔵監督(現FC東京監督)の下で快進撃を続け、この仙台戦でついに6年ぶりのJ1昇格を決めたのである。

 試合終了を告げるホイッスルと共に、歓喜が包み込んだビッグスワンのピッチに中島は倒れ込み、しばらく立ち上がることができなかった。そして試合後、次のような言葉を残している。

「僕がプレーしたときの新潟は新しい取り組みが始まったばかりで、ちょうど今の仙台のようにサッカーの完成度が低かった。それが2年続けることで、これだけ強くなれる。新潟にいた自分には、それがよく分かる。だからこそ、それをこのチーム(仙台)に伝えなければならないと思います」


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