7日、J1昇格プレーオフ(PO)決勝が岡山・シティライトスタジアムで行われた。準決勝でモンテディオ山形を破ったファジアーノ岡山とV・ファーレン長崎を下してファイナルに駒を進めたベガルタ仙台が対戦。レギュラーシーズンの5位と6位の対決は、これが3度目のPO挑戦となる岡山が2−0で勝利。悲願のJ1初昇格を果たした。

上写真=岡山が仙台を2−0で下し、J1昇格を決めた(写真◎J.LEAGUE)

■2024年12月7日J1昇格プレーオフ決勝(観衆14,673人@Cスタ)
岡山 2ー0 仙台
得点:(岡)末吉塁、本山遥

3度目のPO挑戦でついに昇格を成し遂げる!

 岡山の17番、末吉の右足が均衡を破った。ボールがせわしなくピッチを行き交う最初の15分が過ぎ、ホームチームがサイドに起点を作って攻め込み始めた直後だった。

 20分、ロングボールから敵陣深く攻め込むと、木村、田部井、末吉が絡んで左サイドで連続攻撃を展開。競り合いの中でボックス左角に陣取った末吉がこぼれてきたボールをダイレクトでコントロールショット。GK林の頭上を越え、逆サイドのネットに収まった。

 レギュラーシーズンの順位は岡山が5位で仙台は6位。岡山は引き分けでも昇格が決まるレギュレーションだが、木山監督は戦前、「勝利を目指す」と力強く語っていた。その言葉通り、よりアグレッシブな姿勢を打ち出していく。ハイプレスで何度も仙台のビルドアップを阻止。試合のペースを渡さない。

 今季の岡山は先制した試合は15勝3分けと負けなし。仙台も散発的なシュートこそ放ったものの、前半は完全に岡山ペースで終わった。

 昇格するために少なくとも2点が必要な状況になった仙台は、後半開始からエロンに代えてオナイウ情滋を投入。積極的に攻める姿勢を示した。53分にはそのオナイウがドリブルで運んでシュートを放ったが、S・ブローダーセンに鋭い反応でストップされる。

 後半開始後、勢いをもって敵陣に侵入する機会を作り出した仙台は、この時間にゴールを奪えないことが痛かった。

 61分には岡山が勝利をグッと引き寄せる2点目をスコアする。直前に一美に代わって登場したルカオが左サイドでフィードを収めると、そのまま力強いドリブルで中央へ突進。右サイドでフリーになっていた本山が右足でゴールを射抜いた。

 大きなリードを得たあとも、岡山が受け身になることはなかった。前半からハードワークしていた選手たちを交代させながら、強度をしっかり維持していく。

 とりわけ大きかったのがルカオの投入で、前線でボールの収めどころなり、パワフルかつスキルフルなシュートとプレーで仙台守備陣の脅威になり続けた。その力強いプレーに引っ張れるように、岡山の選手たちは終盤を迎えてもハードワークし続けた。

 仙台も試合終了間際に猛攻を仕掛け、奥山が惜しいシュートを放ったが、4分のアディショナルタイムもスコアは動かず、試合はそのまま2−0で終了。3度目の挑戦となったプレーオフを制し、岡山が悲願のJ1初昇格を達成した。

 監督として過去4度プレーオフに臨み、いずれも昇格を果たせなかった木山隆之監督は「感無量です。ここにいる全員、すべての人達と努力し合ってたどり着いた結果だと思う。うれしいを通り越して最高の気持ち」とコメント。自身の負の歴史に終止符を打ち、岡山の新たな歴史を切り開いた。

取材◎佐藤景

▼出場メンバー
・岡山◎GKスベンド・ブローダーセン、DF阿部海大(90+1分:柳育崇)、田上大地、鈴木喜丈、MF本山遥、輪笠祐士、田部井涼(67分:竹内涼)、末吉塁、FW木村太哉(90+1分:柳貴博)、岩渕弘人(67分:神谷優太)、一美和成(46分:ルカオ)

・仙台◎GK林彰洋、DF真瀬拓海、小出悠太(76分:石尾陸登)、菅田真啓、奥山政幸、MF郷家友太、工藤蒼生(76分:中山仁斗)、鎌田大夢(65分:松井蓮之)、相良竜之介(65分:名願斗哉)、FWエロン、中島元彦


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