後半戦の初戦となる第22節を迎えた明治安田生命J2リーグ。首位のアルビレックス新潟はブラウブリッツ秋田に苦しみながらも最後は3-0で勝利を収めた。ラッキーボーイになったのがルーキーのシマブク・カズヨシだ。これが今季2試合目の出場になったが、1ゴール1アシストで勝利をがっちり抱き寄せた。

上写真=シマブク・カズヨシがうれしいプロ初ゴール! あきらめずに走り込んで、無人のゴールに流し込んだ(写真◎J.LEAGUE)

■2022年6月19日 J2リーグ第22節(デンカS/13,922人)
新潟 3-0 秋田
得点者:(新)松田詠太郎、シマブク・カズヨシ、伊藤涼太郎

素直に「やっと結果を残せてうれしかった」

「本当に長かったですけど、やっと決められたのでうれしかったです」

 首位のアルビレックス新潟に、頼もしいニューヒーローの誕生だ。シマブク・カズヨシが1ゴール1アシストで、ブラウブリッツ秋田に苦しめられた試合をものにしてみせた。

「メンバー入りして少し緊張しましたけど、得点やアシストを意識していました」

 ピッチに入ったのは86分のこと。先制点を挙げた松田詠太郎に代わって右サイドハーフに投入された。その1点でリードはしていたものの、後半は押し込まれたままで反撃のチャンスも数えるほど。守り抜くか攻めに転じるか、その判断が難しい時間帯で、今季2試合目のルーキーのスピードに期待が集まった。

 すると、見事に応えてみせたのだ。90分、GK小島亨介が左にボールを届け、鈴木孝司がヘッドでさらに前に送るが、ここで拾ったDFがまさかのスリップ。ゴール方向にこぼれたボールは本間至恩が回収し、GKを誘っておいて右へ。そこにさっそうと走り込んできたのがシマブクだ。無人のゴールへと流し込んで、勝利をぐっと近づける、うれしいプロ初ゴール!

 ニューヒーローはここで止まらない。2分後には秋田の攻撃をペナルティーエリアで食い止めてこぼれたボールを拾うと、迷いなくドリブルをスタートする。背後から追いすがる相手を軽々振り切ってゴールへ突き進むと、左を並走してきた伊藤涼太郎へラストパス。伊藤はGKの飛び出しを逆手に取ってワンタッチでループシュートを送り込み、3点目を奪った。

「自分はドリブルが長所で、前にスペースがあったので仕掛けるしかないと思って前に運んで相手を引き寄せて、涼太郎くんがフリーになったのでパスを出すだけでした」

 脇目も振らずに自陣から一気に相手ゴールを目指し、70メートル近くは一人で持ち運んだだろうか。その真っ直ぐなドリブルは、前半戦を首位で折り返し、J1昇格へと駆け上がろうとするチームの姿勢を象徴していた、としては大げさだろうか。

 しかし、頂点をつかみ取るチームにはいつも、新しいヒーローやラッキーボーイが現れるもの。すでに三戸舜介や矢村健、小見洋太など、出場機会が少なくてもきっちり結果を残す選手たちが列をなしてきた。いわば、その「最新号」がこの男。勝負の後半戦の最初の試合でシマブクが登場したことは、吉兆ではないか。

「J1昇格に向けて、このまま止まらず勝ち続けたいと思います」

 まさしくそのドリブルのように。シマブクもこのチームの重要な一員として、次のチャンスも狙っていく。


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