J2の京都サンガF.C.の曽根田穣が17日、ヴァンフォーレ甲府戦を前にオンラインで取材に応じた。曽根田にとっては初めてとなる古巣との対戦。尊敬する選手との再会を楽しみにしつつ、「負けたくない」と強い思いを持って臨む。

上写真=甲府戦を前にトレーニングする曽根田(写真◎KYOTO.P.S.)

尊敬する山本英臣との再会が楽しみ

 京都サンガF.C.はシーズン序盤に3位につけたが、16節時点で13位まで順位を落とした。しかし、そこから3連勝を飾って6位に浮上。明日(19日)の4位・ヴァンフォーレ甲府戦に勝利すれば、順位をひっくり返すことが可能な位置につけている。

 この重要な一戦に、曽根田穣は特別な思いを抱いて臨む。2017年、プロとして初めて袖を通したのが、甲府のユニフォームだったのだ。

 初年度こそなかなか出場機会を得られず、J1の力になるのは難しかったが、翌年からはJ2で20試合4得点、30試合6得点と、着実にチームの力になっていった。そして今季、京都へと移籍を果たしたのだ。

 プロに入って初めてとなる、古巣との対戦だ。「負けたくない思いは強い。でも、楽しみな気持ちが一番大きい」。ホームでの対戦を前に、そう話した。

 とりわけ、再会を楽しみにしている選手がいる。今年で甲府18シーズン目、40歳となった今季も、交代出場がメインながら14試合でプレーしている山本英臣だ。

「簡単に言うと、ピッチの中に監督がいる感じ」。甲府の偉大な背番号4を、曽根田はそう評する。「最終ラインから、一番前の選手までを動かせる影響力があり、コーチングできる選手。CBとして一番後ろでプレーしていても、その位置からラストパスや勝負を決めるパスを出せる攻撃的な面も持っている。何でもできる選手で、すごいなと思っている」。

 影響力は、ピッチ内にとどまらない。「3年間、ずっとピッチ内外でいろいろなことを教えてもらった。すごく賢くて、サッカー選手としても人としても尊敬している」。賛辞は止まらない。

 初めて入る中銀スタジアムのアウェー側のロッカールームは、新鮮なことだろう。また、甲府のファンも、新鮮な気持ちで曽根田を迎えることになる。

 曽根田は昨年、最終節での2得点を含めて、中銀スタジアムで4ゴールを挙げた。京都に移ってから、まだゴールはない。「早く取りたい気持ちはあるし、まだ点を取っていないのは、自分の中で引っかかっている部分」。

 互いに守備がしっかりした同士の対戦で、先制点が重みを増すと考えている。京都には13得点のピーター・ウタカに野田隆之介という、高さと強さを備えた2トップがいる。そこへ「後ろから潜り込んでいけるような、ゴール前のシーンが増えれば得点するチャンスはあるのかなと思います」。

 そのイメージが現実になり、“恩返し”を果たしたとすれば――。曽根田も京都も、また一歩、力強く前進することになる。

取材◎杉山 孝


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