浦和レッズが苦しんでいる。4月12日の明治安田J1百年構想リーグで、東京ヴェルディを相手に先制しながら突き放せずに追いつかれ、PK戦で敗れた。これでついに「5連敗」である。いま、抜本的改革が求められるのではないか。

上写真=マチェイ・スコルジャ監督は練習試合では「公式戦と同じ環境を再現することはほぼ不可能」(写真◎J.LEAGUE)

■2026年4月12日 J1百年構想リーグ第10節(観衆:29,530人@埼玉ス)
浦和 1-1(PK1-3)東京V
得点:(浦)肥田野蓮治
   (東)染野唯月

城福浩監督とは対称的な…

 J1百年構想リーグEASTで浦和レッズは第10節、ホームでの東京ヴェルディ戦で敗れてついに「5連敗」である。

 90分のスコアは「1-1」だった。

 試合を通して優勢に進め、後半開始直後の46分にマテウス・サヴィオのパスから抜け出したルーキーの肥田野蓮治が、鮮やかなシュートを決めてリードした。しかし、追加点のチャンスもありながら決め切れず、やや不運なPKを与えて74分に追いつかれた。

 通常のリーグ戦であれば「ホームで内容はまずまずながら引き分けた」という評価になるだろうが、この特別なリーグにはPK戦がある。渡邊凌磨、マテウス・サヴィオが連続して東京VのGK長沢祐弥に止められ、3番手のオナイウ阿道は決めたが、4番手の照内利和が右ポストに当てて失敗し、1人しか決められずに1-3で敗れた。

 これで2度のPK戦負けを含む5連敗、また今大会で3度目となったPK戦ではいずれも敗れている。対して相手の東京VはPK戦で3連勝。そんな結果と同様、PK戦への取り組みに対する両チームの監督のコメントも対称的だった。

 勝った東京Vの城福浩監督。

「われわれは練習そのものに、常にリアリティーを追求している。PKの練習も必ずリアリティーを大事にしている。少し緊張感を持って、みんなが見ている前でPKを蹴ってきた選手たちと、それを受ける、守備に回るGKの日常の緊張感が、成果として出ているのかなと思います」

 敗れた浦和のマチェイ・スコルジャ監督。

「すべての練習試合でPK戦は練習してきています。先週の練習試合でも1本ごとに行い、そこでは3本すべて勝ったのですが、プレッシャーが掛かる公式戦ではまだ勝つことができていません。練習の中で公式戦とまったく同じ環境を再現することはほぼ不可能です。次の練習試合では、公開にしてサポーターに入ってもらったほうが良いのかもしれません」

 最後はジョークともつかない話で締めた。実戦のリアリティーを求めることは半ば諦めているかのようでもあり、両者の姿勢に大きな違いを感じさせた。

 城福監督の取り組みに厳しさが満ちていることは、何もPK戦に限った話ではないのだとよく知られている。妥協を一切許さない指導と采配で、限られた人材の中でも戦えるチームを作り上げている。

 翻って、スコルジャ監督の采配には疑問符がつけられる。

 再三指摘されているように、リードを奪っても終盤に追いつかれる、あるいは逆転されるという展開を繰り返してなお改善できていない。それがPK戦への取り組みにも表れていると言えるだろう。

 この日は後半の頭から2列目の選手のポジションを入れ替えた。金子拓郎を右から左へ、マテウス・サヴィオを左から中央へ、肥田野を2トップの一角から右サイドへと移す大胆な采配だ。これが功を奏して、後半開始早々に先制点を挙げたのだが、後半半ばには「相手に対応されてきたから」と元に戻している。

 試合の流れから明らかに2点目を奪いにいくべき状況だったのだが、元に戻した采配は正解だったのか。この時点で新たな戦力を投入すべきではなかったのか。

 この後、PKを奪われて追いつかれたのは、突き放す流れを作れなかったためだと言えばこじつけになるかもしれないが、事実、追いつかれてPK戦での敗戦にまでつながるのだから、少なくともその采配で勝利を引き寄せられなかったことは確かだ。

 スコルジャ監督は昨シーズンの成績から解任も噂されていた。今季も指揮を執り続けているものの、J1百年構想リーグは短期の特別な大会であり、それぞれのクラブが秋冬制が始まる2026-27シーズンまでを見据えている。

 補強も抑え気味であり、クラブ側はおそらくはここでもう一度様子を見て、新シーズを任せるかを見ているのだ……そんな仮説を立てるとすれば、もはや合格点をもらえるような成績ではなく、監督交代が現実的だ。強化部はすでに動いているのかもしれないが、抜本的な改革が必要ではないか。

 この日の埼玉スタジアムは観客が2万9530人。3万人を割り込んで、スタンドに空席が目立った。成績以上に危機感を持たなければならない。

文◎国吉好弘


This article is a sponsored article by
''.