ミハイロ・ペトロヴィッチ新監督率いる名古屋グランパスが初陣を飾った。8日に行われた明治安田J1百年構想リーグ・WEST第1節で清水エスパルスに1−0で勝利。決勝ゴールは新監督が求める形から生まれた。

上写真=開幕戦を白星で飾った名古屋グランパス。豊田スタジアムには3万8120人が詰めかけた(写真◎J.LEAGUE)

「答え合わせになった」(木村勇大)

 名古屋の決勝点は、ミハイロ(ミシャ)・ペトロヴィッチ新監督が就任以来、求め続けてきた連動から生まれた。

 最終ラインの藤井陽也から縦パスが出て、1トップの山岸祐也がフリック。右サイドで中山克広が受けて最終ラインを破ると、クロスに対して前向きにボックスに入った左シャドーの木村勇大がネットを揺らした。

 4人の選手が同じ絵を描いていたからこそ生まれたゴールだが、とりわけ1トップの山岸とシャドーの木村のプレーと判断が"効いていた"。

 機に応じて最前線から下がり、縦パスの受け手になった山岸は得点シーン以外でもたびたび攻撃の起点になった。すべてのプレーに成功したわけではなかったものの、清水の守備者が食いついてくるといなすようにボールを周囲へ配ってみせる。沖縄キャンプ時と比べて、ターゲットになる場所も、そのタイミングも格段に向上した印象を受けた。

 そしてシャドーで先発した木村は、常に前向きにプレーできることでフィニッシャーとしての持ち味がより強く出せるようになった。ゴールシーンもそうだが、矢印をしっかりと相手ゴールに向けてプレーできていた。

「祐也くんに入ったタイミングは見ていて。祐也くんがカツくん(克広)に出した瞬間に多分、スプリントかけて来るかなと思って。本当にもう練習通りの形で、あそこにしっかり入れたっていうのはよかったと思いますし、やっぱりちょっと遅れた位置から入ると、あのシーンみたいにフリーになれる。それがキャンプからの手応えだったので。キャンプで決めたゴールも、そういう形がありましたし、良かったです」

 藤井から縦パスが送られた瞬間に動き出した木村は、山岸がポストに入ったときにはオフサイドの位置にいた。しかし、そこからボールが動く中で、しっかり我慢してオンサイドに留まり、中山が裏までボールを運んだことを確認してから再びゴール前に飛び込んだ。チームが狙う攻撃の中で、自身がフリーになる場所とタイミングを理解し、それを生かしたわけだ。

 右シャドーのマルクス・ヴィニシウスも山岸がフリックしたタイミングでは中山より内側にいて、しっかり反応していた。そのことで清水の左サイドバック、吉田豊は瞬間的に1人で2人に対応せざるを得なくなった。攻撃時に前に人数をかけ、ワンタッチプレーを挟んで相手の守備を無力化する名古屋の狙いが見事に表れていた。

「得点シーンを振り返ると、良いアクションだったと思います。ただ新しい監督として私が来て、4週間弱しか練習はしていないですし、まだまだ時間が必要で、質を上げていかなきゃいけないというところはもちろんあります。そういったところを踏まえて、しっかり前を向いて仕事はしていきたいですけども、少なくとも今日の試合を通して、チームは一歩前に進んでいると感じました」

 1−0で初陣に勝利したミシャ監督も、そういって得点場面を振り返った。チャンスの数を考えれば、1ゴールを記録しただけとも言えるが、狙い通りのアクションで奪ったゴールと勝利だったのは間違いない。木村も、こう言っている。

「今日の試合というのが自分たちの今やっていることが合っているのか、間違っているという言い方はあれですけど、この方向でいいのかというのを確かめるために大きかったと思う。それはメディアの皆さんもそうだし、サポーターの皆さんもそうだし、そういう答え合わせじゃないけど、そういうのを確かめる日だったと思うので。もしも今日負けていたりとか、やってきたことが通用しなかったら、多分どこかに迷いが出てきていたと思う。そういう中でやっぱり勝てたのが本当に一番大きいかなと思うので、チームとして、名古屋グランパスとして、すごく大きい1勝だったんじゃないかと思います」

 まだ1試合を終えたに過ぎないが、初戦で方向性の正しさを感じられたのは、確かに大きい。ゴールにも、勝利にもその点で大きな価値があった。


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