上写真=ピッチ横にイスを並べて1年ぶりにミシャ監督に話を聞いた(写真◎佐藤景)
受けることを怖がればプレーは余計に難しくなる
ーー始動して約2週間、ここまでチームを指導してきて様々なことを感じたと思います。想定外のことはあったでしょうか。
ミシャ ほとんどの選手は、敵として対戦したことも多いし、クオリティーがあるのも知っていた。ただ、昨シーズンの試合を見ていると、ボールを受けるところで選手が少し恐れを感じていたり、楽しんでプレーしているようには見えなかった。どこかミスを恐れているような姿勢も見られたりもした。ボールを持っている時に、周囲の選手が受けることを怖がれば、プレーは余計に難しくなる。その点については、改めて選手たちに伝えている。
ただ、トレーニングをここまでやってきて、少しずつ、ベターになっているような気がしている。サッカーを楽しんでいる姿を見るのはうれしいものだ。
ーーチーム作りについては、広島時代や浦和時代、札幌時代とやり方を変えているのでしょうか。
ミシャ そんなに大きくは変えていない。あなたはよく知っているだろう、私の攻撃哲学が30年前から変わっていないことを。もちろん、トレーニングに関して新しいアイディアを採り入れたり、毎年少し変化を加えるものだが、哲学そのものは変わらない。今はまだチーム作りの最初の段階で、とくに最初の3週間、1カ月ぐらいは苦労するのは当然だ。ただ、過去のどのチームであっても前向きにトライすることで、最終的には楽しくプレーしてくれたと思う。そういう意味では名古屋でも同じことが起こっていると言える。
ーー就任会見の時に1年間、日本を離れている間の話をしていて、アタランタやローマを興味深く見ていたと話していました。ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督のサッカーは依然として楽しめるということですか。あるいは参考になっているとか。
ミシャ 私が20年若かったら、もしかしたら何かの要素を採り入れようとしたのかもしれない。ただ、私は68歳だ。そういう視点から興味を持ったスタイルはない。そもそもサッカーを見ることは楽しいものだ。
ーー激しいマンツーマンなど、ガスペリーニ監督のサッカーはミシャ監督が求めるスタイルと重なる部分が多いと傍から見ていて感じます。同い年でもありますし(ミシャは57年10月生まれ、ガスペリーニは58年1月生まれ)。
ミシャ そうか?(笑)。
ーー以前にも、意見は人それぞれでいいと言われましたが…。質問を変えます。ガスペリーニのほかに、興味のある監督としてイヴァン・ユリッチやロジャー・シュミットの名前も挙げていたと思います。時が経ち、シュミットさんは日本と関わりを持つようになりました。
ミシャ 彼らはいずれもアグレッシブで良いサッカーをしている監督だった。シュミットはザルツブルクで監督をしていたことがあって、評判だったし、ユリッチはガスペリーニに似た哲学を持つ指導者と言えるかもしれない。ただ、彼の場合は性格的にもアグレッシブ過ぎて、色々なところで揉めているようだ(苦笑)。スポーツダイレクターやクラブ関係者とし衝突して、すぐにチームを去ってしまう。
ーーシュミットさんとは面識があるのでしょうか。
ミシャ 一度、ザルツブルクで話をしたことがあるような気もするが、はっきりとは覚えていない。彼は日本では若い世代をよく見ているそうだね。
