上写真=試合終了後、ベンチに戻った長谷川は座り込んで頭を抱えていた。今季わずか2勝と苦しい状況が続く(写真◎石倉利英)
■2025年5月18日 J1リーグ第17節(@JFEス:観衆14,666人)
岡山 2-1 新潟
得点:(岡)江坂任、一美和成
(新)長谷川元希
「プラスアルファで何かやらなければ」
試合終了のホイッスルが鳴ると、歓喜に沸く岡山の選手たちの横でピッチにうずくまった。ベンチに戻ってからも椅子に腰を下ろし、しばらく頭を抱えて動かない。ファン・サポーターの元へあいさつに向かう際の重い足取りも含め、一つひとつが心境を如実に表していた。
10分に先制された新潟は、15分の長谷川の同点ゴールで一度は息を吹き返した。センターサークル付近でMFダニーロ・ゴメスがつないだボールを拾うと、一気に加速してドリブル突破。最後は追ってきた岡山MF加藤聖の前に入る巧みなコース取りから、右足で今季チーム最多の6得点目を決めた。
「うまく抜けることができた」と振り返る鮮やかな一撃だったが、後半に勝ち越し点を奪われて敗戦。74分に先制点を決めたものの、追いつかれて1-1で引き分けた前節の浦和レッズ戦に続いて勝利にはつながらず、「点を取っても勝てないので…悩みどころではあります」と厳しい表情を浮かべた。
樹森大介新監督が就任した今季、開幕からリーグ戦で未勝利が続く苦しいスタートを切った。第9節で初勝利、第13節で2勝目を挙げたものの勢いは続かず、この2勝のみ。1試合未消化ながら降格圏の19位に沈んでいる。
「自分たちのサッカーを貫こうという感じが開幕からずっと続いてきて、結局は勝てていないので、やっぱり何かしら変えなければいけない。もちろん自分たちのサッカーを信じて、という気持ちは分かるんですけど、それを続けていこうと言って17節まで来ている。プラスアルファで何かやらなければいけないし、泥くさく攻めなければいけない。ロングボールを使ってでも相手を押し込むとか」
他にも繰り返した厳しいコメント。なかなか浮上のきっかけをつかめない現状への強い危機感が、言葉の端々からうかがえた。
取材・写真◎石倉利英