上写真=互いに持ち味を出した柏と川崎F。白熱の好ゲームは1−1のドローに終わった(写真◎J.LEAGUE)
■2025年2月22日 J1第2節(観衆13,695人@三協F柏)
柏 1ー1 川崎F
得点:(柏)小泉佳穂
(川)脇坂泰斗
連勝ならずも見応え十分の一戦
序盤は柏の狙いがピッチで表現された。川崎Fの選手を高い位置で捕まえて、ボールを奪取。サポートも早く、連続攻撃からゴールに迫っていく。左ウイングバックのジエゴの裏を狙われる場面もあったが、自陣においても恐れずパスをつないで川崎Fのプレスをかい潜り、ボールを前進させていった。
川崎Fに構えられた場面ではサイドチェンジを使って逆サイドのウイングバックにつなぎ、突破を図る。一方でボールをロストしたら素早い回収で攻めに転じる。川崎Fのビルドアップを阻み、自陣に釘付けにした。
28分にはサイドチェンジのパスを受けた小屋松のクロスから細谷がヘッドで狙ったが、GK山口の好守に遭って得点はならず。右CKを獲得すると、その流れから渡井が狙ったが、これまた山口にはじき出され、今度は左CKを獲得。原川が入れたボールをファーで待っていたジエゴがダイレクトで狙ったが、シュートはポストを直撃した。
終盤になって川崎Fも何度かゴールに迫ったが、前半は総じて柏ペースだったと言っていい。だが、スコアレスで折り返した後半、先にネットを揺らしたのは川崎Fの方だった。
50分、柏のジエゴが自陣で左サイドから内側に向かって横パスを送るも味方に合わず、マルシーニョがカット。そこから左にいた三浦に展開し、最後はクロスに飛び込んだ脇坂がヘディングをシュートを決めた。
後半、アグレッシブさを出し始めた川崎Fが相手のミスを逃さず、先制。しかし、柏もすぐに追いついてみせる。53分に二枚替えを実施。ジエゴに代わって久保、細谷に代わって垣田を投入した。
すると57分、交代で入った久保と小泉によって柏に同点ゴールが生まれる。右サイドでボールを受けた久保が相手最終ラインと駆け引きする小泉とワンツーを成立させて右サイド深い場所に進入。クロスをあげると、小泉がドンピシャのタイミングでヘディングシュート。綺麗な崩しでネットを揺らした。川崎Fにとって今季公式戦の初失点だった。
同点後、試合はテンポアップし、一進一退の攻防が繰り広げられた。素早いトランジションからゴールに迫る川崎Fに対して、柏もパスワークで崩そうと試みるが、ソリッドな守備を崩し切るには至らず。
両チームともに最後までゴールを目指したものの、あと一歩及ばず、試合は1−1で決着。
ホーム初陣となった柏のリカルド・ロドリゲス監督は「勝ち点3に相応しいプレーができたと思う。残念なのは前半に先制点を取れなかったこと。しかし失点後に強いメンタリティーを示し、同点にするとともに逆転を目指してくれた選手たちを評価したい」と熱戦を総括し、公式戦4先負なしとなった川崎Fの長谷部茂利監督は「前半から自分たちがやりたいことができなかった。風下が少し難しかった。その中で前半耐えたところから後半、ギアをアップして点を取れた。その後に相手にいい形で取られたが、もう少し早く、私の方で修正できれば 良かった」とゲームを振り返った。
柏は徹底してつなぐ意識、川崎Fは組織立った守備。ともに今季からフォーカスする部分をピッチで示した白熱の一戦は、1−1のドローながら見応え十分の一戦だった。
▼出場メンバー
・柏◎GK小島亨介、DF原田亘、古賀太陽、杉岡大暉、MF小屋松知哉、熊坂光希、原川力、ジエゴ(53分:久保藤次郎)、小泉佳穂、渡井理己(72分:島村拓弥)、FW細谷真大(53分:垣田裕暉)
・川崎F◎GK山口瑠伊、DFファンウェルメスケルケン際、高井幸大、丸山祐市、三浦颯太(82分:田邉秀斗)、MF河原創(62分:橘田健人)、山本悠樹、伊藤達哉(72分:家長昭博)、脇坂泰斗、マルシーニョ(82分:宮城天)、FW山田新(82分:エリソン)