上写真=決勝点となったPKを決めたのはチアゴ・サンタナ。思い切りよく蹴り込んだ(写真◎J.LEAGUE)
■2024年4月28日 J1リーグ第10節(@埼玉/観衆42,265人)
浦和 2-1 名古屋
得点:(浦)安居海渡、チアゴ・サンタナ
(名)和泉竜司
「失点がもったいなかった」と長谷川監督
浦和レッズは連敗中、名古屋グランパスは3連勝のあと1分けを挟んで連勝中と、ここ6戦負けなし。ただ、勢いの差がそのままピッチに描かれるわけではないのも、サッカーの面白いところだ。
序盤は名古屋が右からウイングバックの中山克広がスピードで、左からシャドーの一角の倍井謙がドリブル突破で押し込んでいくのだが、徐々にそのパターンに慣れていった浦和が押し返していく。
試合の流れを大きく決定づけたのは、24分のこと。浦和が右から押し込んで名古屋がクリアミス、中央に高く跳ね上がったボールをチアゴ・サンタナがヒールでゴール前に流し込むと、稲垣祥に当たってこぼれ、安居海渡が落ち着いて左足でゴール左に流し込んだ。ホームチームが3試合ぶりのゴールで先制に成功する。
ここから名古屋は停滞。両サイドからの仕掛けも抑え込まれ、つなぎのパスにミスが出て、リズムを分断されていった。ハーフタイムで仕切り直すと、50分には森島司のワンタッチパスで右ポケットを取った稲垣がマイナスへ、和泉竜司が左足で狙ったもののわずかに左に切れていった。
ただ、浦和に動揺はなく、再びどっしりと落ち着いて試合を運んでいった。68分にはサミュエル・グスタフソンがボールを収めて時間を一瞬だけ止めて右斜め前へ、伊藤敦樹も落ち着いて右に送ると、前田直輝がカットインしたところで倒されてPKを獲得。70分、これをチアゴ・サンタナがきっちりきめてリードを2点に広げた。
名古屋は最後の最後で90+2分に左CKのこぼれ球を和泉が押し込んで1点を返したが、やはり遅きに失した。
このまま浦和が逃げ切って、2-1で勝利。連敗を2で止めて10位に浮上した。ペア・マティアス・ヘグモ監督は「選手の素晴らしい姿勢を見ることができた」と納得の表情。「非常にフィジカルな試合でしたが、球際やセカンドボールのところで勝つことができていた」と終始落ち着いてプレーできた理由を話した。
敗れた名古屋は首位グループに肉薄するチャンスを逃し、6位に後退している。長谷川健太監督は手応えがあったからこそ、「失点がもったいなかった」とミス絡みの失点を悔やんだ。