上写真=1997年4月12日、G大阪のエムボマはJ初ゴールを驚愕のボレー弾で決める(写真◎J .LEAGUE)
投票締め切りは4月21日18時まで!
Jリーグは、開幕30周年を記念して、これまでの30年を回顧する「J30ベストアウォーズ」を開催すると発表した。ファン・サポーターの投票をもとに、30年の歴史の中から「MVP」、「ベストイレブン」、「ベストマッチ」、「部門別ベストゴール」、「ベストシーン」を決定する。
投票期間は2023年4月21日(金)18時までと締め切りが迫っており、下記「J30ベストアウォーズ」特設ページより投票が可能だ。ノミネート選手、ゴール、シーン等は特設ページからも確認できる。投票は、各賞1人につき 1回のみ(ベストイレブンについては11名選択可能)。
J30ベストアウォーズ特設ページ
https://www.jleague.jp/special/30th/J30bestawards/
あいさつ代わりとして十分すぎる一発
「ボレー/オーバーヘッド部門」の投票結果を予想しよう。
31ゴールのノミネートの中にはジーコ、ルンメニゲ、ラモス瑠偉、柳沢敦などそうそうたるタレントの名前が並ぶが、ここではG大阪のエムボマが1997年の開幕戦で繰り出した、衝撃の左足ボレー弾を挙げたい(ノミネート番号は8)。
この年にG大阪に加入したエムボマのデビュー戦。4月12日、平塚に3点リードで迎えた72分のシーンだ。パスを受けたエムボマが、ペナルティーエリア左手前から突破を試みるも、相手の足に当たって浮き球に。これを右足、左足の順でリフティングして相手DFをかわすと、素早く体を反転、落ちてきたボールを左足で豪快にゴール右隅に突き刺した。あいさつ代わりとしはインパクト十分なJ初ゴールだった。
20周年時のベストゴール
34ゴールがノミネートされた「テクニカル部門」からは鹿島の貴公子・レオナルドが決めた、今なお語り継がれる圧巻のゴール(ノミネート番号は39)。
1995年の横浜F戦(11月1日、ニコスシリーズ第19節)の83分、ゴール正面で右サイドからパスを受けると、スライディングで防ぎに来る相手DFを左足アウトサイドでボールを浮かしてかわしてペナルティーエリア内に侵入。直後に3人に囲まれるが、リフティング(4タッチ)しながら反転、最後はワンバウンドしたボールの跳ね上がり際をとらえ、ネットを揺らした。
なお、このゴールは2013年にJリーグ創設20周年を記念して行われた「Jクロニクルベスト」企画で、ベストゴール部門の1位に選出されている
ドラゴンの一撃
続いては「ミドル/ロングシュート部門」。ここではJリーグ第1号ゴールとなったV川崎のマイヤーのミドルなど23ゴールがノミネート。どのゴールも素晴らしいが、得点後のダンスも話題となった横浜FC久保竜彦の規格外の一撃を挙げる(ノミネート番号は78)。
2007年の浦和との開幕戦(3月3日、J1第1節)、この年に横浜FCに移籍した久保が右サイドでボールを受けるとやや中に切れ込み、ゴールから約40メートルの位置で左足を振り抜く。強烈なシュートはゴール右隅に突き刺さり、喜びの「ひょっとこダンス」でも会場を沸かせた。
GKも成す術なし
どれも惚れ惚れするような19ゴールの「フリーキック部門」では、本人が「人生の中でも最も美しいゴールの1つだ」と語った、横浜Fのエドゥーが1994年の磐田戦(4月2日、サントリーシリーズ第6節)で見せた40メートルの長距離FK弾だ(ノミネート番号は91)。
62分、ゴールより40メートルの地点から左足を振り抜くと、強烈なカーブのかかったシュートはゴールバーの下部をかすめてゴール左隅へ。GKも成す術のない一発だった。なお、エドゥーはこのゴールの1週間後の平塚戦では、今度は左足アウトにかけたフリーキックを決めており、こちらもノミネートされている(ノミネート番号は92)。
昇り竜のヘディングシュート
10ゴールがノミネートされた「ヘディング」部門では、2014年のJ1昇格プレーオフで90+2分にGKの山岸範宏が決めた値千金のゴールと迷ったが、2003年に横浜FMの完全優勝に導いた久保竜彦のゴールを挙げる(ノミネート番号は112)。
11月29日(J1セカンドステージ最終節)、前年王者の磐田と対戦した横浜FMが1-1で迎えた試合終了間際、89分のシーン。磐田の最終ラインの裏に弾んだボールに対し、磐田のGKとDFが追うが、疾風のような勢いで走り込んだ久保がひと足先にボールに触れ、下から上へ突き上げるようにシュート。宙を舞ったボールは大きな弧を描き、無人のゴールに吸い込まれ、試合は2-1でタイムアップ。他会場の結果もあり、3位だった横浜FMの優勝が決定。ファーストステージも制しており、完全優勝を決める価値あるゴールであった。
世界も認めた壮大なゴール
最後はパスワークなどで相手を崩して決めた「その他部門」。10ゴールがノミネートされたこちらの部門からは海外メディアも「壮大なゴール」と称えた、2022年の京都の、華麗なパスワークからのゴールを。
4月17日に行なわれた柏戦(J1第9節)の13分。京都は自陣で白井康介、井上黎生人、GK上福元直人へとつなぎ、相手が寄せてきたところで麻田将吾へ預けると、ゴールライン際でパスを受けた麻田は、今度は逆サイドのペナルティーエリア内にいた井上へ大胆に展開。ここから白井→ピーター・ウタカ→福岡慎平とダイレクトでつながり、武田将平へ。センターサークルでパスを受けた武田は、ボールを持ち出し、右サイドの山田楓喜→中央の福岡→ペナルティーエリア内にした松田天馬とパスがつながり、最後はその松田からボールを奪うようにして右足シュートを放った荻原拓也が、ゴール左上に突き刺した。
自陣からつないだパスは12本。チームが連動する見事なパスワークからのフィニッシュだった。