上写真=ついにジェジエウがピッチに戻ってきた。J1の3連覇へ、頼もしすぎるカムバックだ(写真◎福地和男)
「特徴であるスピードはしっかり出せて」
復帰戦とは思えない充実ぶりに、スタンドが沸いた。ジェジエウが長い長いリハビリからピッチに戻ってきた舞台は国立競技場、パリ・サンジェルマンとのプレシーズンマッチである。
キリアン・エンバペ、リオネル・メッシ、ネイマールの3人がことさら注目されたが、その一人、超高速ドリブラーのエンバペとジェジエウのバトルは迫力満点だった。
「すごく素晴らしいテストの環境でした。世界トップレベルの力を持った選手と戦うことができましたから。ただ相手がどこであろうと、自分たちの目標のためにやるべきことをしっかりやろうとピッチの中に入っていきました」
鋭いステップで加速を狙うエンバペに、ジェジエウも負けじと対応していく。例えば、13分にはメッシから短いスルーパスが右裏に入り、エンバペが抜け出してきたところに深々とスライディングに入ってセンタリングをブロックしたシーンなどは、ケガ明けとは思えない軽快さと力強さだった。
「特徴であるスピードはしっかり出せて、皆さんに見せることができたと思います。長く試合に絡んでいなかったので難しいこともありましたが」
20分には遠野大弥の右CKを合わせていて、ヘッドでしっかりインパクトできずにGKドンナルンマに抑えられたものの、得意のセットプレーでも感覚が戻りつつあることを披露した。
「まだまだやっていかなければならないことはあって、フィジカルの部分や味方と合わせていくところはありますが、個人的にはいい状態だと思います」
前半のみのプレーとなったのは試運転だったからだが、試合後の充実の表情を見る限りは、あのパワフルな守備がJ1で3連覇を狙う川崎Fにとって最上の「補強」になることを予感させる。
「いい形で復帰できたと思っています。長い間、離れていましたけど、1日も早く戻れるようにここまで努力してきましたし、ここから先、しっかりと川崎フロンターレの力になれるようにやっていきたい」
あまりにも頼もしい背番号4の帰還こそが、このPSG戦の最大の収穫だったかもしれない。