上写真=湘南のゴールラッシュはタリクが締めて4点目。首位川崎Fを圧倒した(写真◎J.LEAGUE)
■2022年5月25日 J1リーグ第15節(等々力/14,068人)
川崎F 0-4 湘南
得点者:(湘)町野修斗2、池田昌生、タリク
「自分の力不足」と鬼木監督
静かな前半を終えて、後半の11分間で大きく動いた。主役は湘南ベルマーレ。
前半からはっきりとしたチャンスがあったのは湘南の方で、その勢いを買って、後半開始早々には右からの町野修斗の折り返しにタリクがフリーで狙うビッグチャンス。これはシュートがGKの正面を突いた。
だが、これが呼び水になったか、このあと11分間でなんと4ゴールをたたき込んでみせた。右からの杉岡大暉のCKにファーで合わせた町野がヘッドでゴール左に送り込み、2試合連続ゴールで先制したのが50分のこと。4分後には、左を回った石原広教のセンタリングに、ニアに入った池田昌生がこちらもヘッドでコースを突いてゴール左上に決めた。
60分には中盤で引っ掛けて一気にカウンターを仕掛け、大橋祐紀がつないだボールを受けた町野が2試合連続2ゴールとなる一発を決めれば、そのキックオフから再び相手ボールを奪い取り、またもやカウンターで町野、大橋とつないで、最後はタリクがGKの出際にチップキックで流し込み、リードを4点に広げた。
川崎Fは交代策を使って3バックに変更して、前線に人数をかける。72分に宮城天が角度のないところから狙ったシュートや、73分の右CKからのジョアン・シミッチのヘディングシュート、82分の小林悠の半身のシュートなどでゴールに迫るものの、湘南の余裕の試合運びにゴールは割れずに試合終了。7試合ぶりの黒星を喫した。
川崎Fで気になるのは、これが今季3度目の4失点ということ。崩れるときには一気に崩れる。鬼木達監督は「ずっとゼロで抑えてきた中で、緊張の糸が切れたようになった」と、5試合無失点を続けてきた流れで、最初の失点で崩れたと分析。「マネジメントの部分で自分の力不足」と選手選考や試合の進め方を含めて、自らに責任を求めた。山根視来も「これで3度目。悪いなりの流れの切り方をやっていかなければ」と、連続失点を悔やんだ。
湘南はリーグ戦で今季初の連勝。川崎F相手には実に11試合ぶりの勝利となった。山口智監督は「いい守備からのいい攻撃」を勝因に挙げた。特に3点目と4点目は中盤で相手のボールを奪って一気に決めきったゴール。「決めきれたこともそうですが、関係性のある中でボールを攻めるところが良かった」と、相手のボールを狙いを持って複数人で奪い切った守備の意識を称えた。
現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE