5月21日の明治安田生命J1リーグ第14節で、川崎フロンターレはサガン鳥栖とのアウェーゲームを0-0で終えた。82分にキャプテンの谷口彰悟が退場処分し、代わってピッチに入った山村和也が打ち出したのは、1人少なくてもあえて攻めに出る姿勢だった。出場が濃厚な次節湘南ベルマーレ戦に生かしていく。

上写真=山村和也が緊急出場した鳥栖戦。難しいゲームをドローで切り抜けた(写真◎J.LEAGUE)

「いい守備から良い攻撃をすれば」

 谷口彰悟が相手と入れ替わったところでファウルを与え、イエローカードが提示された。その後、VARの助言の後に主審は退場を宣告した。5月21日のJ1第14節サガン鳥栖戦、82分のことである。

 その1分後にスクランブル発進となったのが、山村和也だ。J1では4月9日の柏レイソル戦以来の出場になったが、ポーカーフェースが示すようにプレーは冷静そのもの。

「ジャッジのところはわからないのでなんとも言えませんけど、一つのジャッジで状況が変わるので、そこにうまく対応できるようにいい準備をしたい」

 意識したのは「あと少しの時間なので、失点しないこと」だったが、鬼木達監督からは攻撃でも積極的に行けるのであればボールを前に配球するように、と指示を受けていた。例えば90+4分には、右サイドに出ていってジョアン・シミッチをサポートし、山根視来と連係しながら、続けて橘田健人からサイドでボールを引き出してクロス、レアンドロ・ダミアンの胸にぴたりと合わせてチャンスを創出している。「タイミングが合ったので、しっかり連係してダミアンに配球できました」と手応えがあった。1人少なくても、センターバックであってもゴールを目指していく、という姿勢を体現している。

 鬼木監督が重要と位置づけるリーグ5連戦は、ここまで2勝1分け。4試合目となる次節の湘南ベルマーレ戦では谷口が出場停止だから、山村の出番は濃厚だ。「湘南も勢いのあるチーム」と鳥栖と同様にタフな戦いを予想しているが、「ボールを保持しながら、川崎の良さであるいい守備から良い攻撃をすれば、結果は伴ってくる」と落ち着き払っている。

「幅を取るときはしっかり取って、中を締めさせたければ狭いところに入れていく」と配球のリズム感を表現した。山村の冷静沈着な守備はもちろん、どこにボールを運んで攻めようとしていくのかの判断力に注目だ。


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